“旨味(しみ)” の例文
何となれば鱷を嗜(たしな)むものは人肉をも嗜まざる理由なければなり。元来鱷の旨味(しみ)あるは、既に数年前より外国の料理通の賞賛する所なれば、吾人と雖鱷を食ふ事を排斥すべきにあらず。
均(ひと)しく尽きる命数を、よしや些(ちと)ばかり早めたと云つて、何事かあらう。可哀(かはい)い娘が復讐の旨味(しみ)を嘗(な)めるのを妨げなくても好いではないか。己は毎晩その恐ろしい杯を、微笑を含んで飲み干してゐる。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)