“蠧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むし37.5%
25.0%
きくいむし12.5%
しみ12.5%
むしば12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
貴樣きさま等は書物のむしに成つてはならぬぞ。春日かすがは至つてちよくな人で、從つて平生もげんな人である。貴樣等修業に丁度ちやうど宜しい。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
廉直れんちよくの・(五三)邪枉じやわうしんれられざるをかなしみ、(五四)往者得失わうしやとくしつへんる、ゆゑ(五五)孤憤こふん・五内外儲ないぐわいちよ説林せつりん説難ぜいなん、十餘萬言よまんげんつくる。
ただ思うさま吹きつくした南風が北にかわるさかいめに崖を駈けおりて水を汲んでくるほどのあいだそれまでのさわがしさにひきかえて落葉松からまつのしんを噛むきくいむしの音もきこえるばかりしずかな無風の状態がつづく。
島守 (新字新仮名) / 中勘助(著)
本棚のしみを防ぐ樟脳しょうのうの目にしむ如きにおいは久しくこの座敷に来なかったわたしの怠慢を詰責きっせきするもののように思われた。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ひかりを鎧うた浄い暁のなか、むしばまれた祈祷いのりの囁きがたちのぼる。一と夜、悪の扉にもたれてゐたかれらが、聖らかな眼ざめにかへるのだ。——一斉に咒詞を呟きながら。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)