“蠧蝕”の読み方と例文
読み方割合
としよく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
以上長四尺ばかりの半紙の巻紙に書いた書牘しよどくの全文である。蠧蝕としよくの処が少しあるが、幸に文字を損ずること甚しきに至つてゐない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
詩集は蘭軒の自筆本で、半紙百零三けつの一巻をなしてゐる。蠧蝕としよくは極て少い。蔵弆者ざうきよしやは富士川游さんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
蘭軒の姉、黒田家の奥女中幾勢きせは茶山にはなむけをした。所謂いはゆる餞は前に引いた短簡に見えてゐる茶碗かも知れない。わたくしは此餞を云々したくだりしもに、不明な七字があると云つた。此所には蠧蝕としよくは無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)