“蠧魚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しみ66.7%
とぎょ16.7%
むし16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
するといくらか気が静まって来て、小粒に光りながらゆるんだ綴目の穴から出て本の背の角をってさまよう蠧魚しみ行衛ゆくえに瞳をとらえられ思わずそこへうずくまった。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
甲寅こういんの歳より壬戌じんじゅつの歳まで天下国家の事をいわず、蘇秦、張儀の術をなさず、退しりぞいては蠧魚とぎょり、進んでは天下を跋渉ばっしょうし、形勢を熟覧し、以て他年報国の基をさんのみ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「じたい、長崎殿の陣中へ出向いて、わしに兵法の講義をしろとは、まるではなしが、あべこべじゃなかろうか。そちらは実戦の専門家じゃろ。こちらは書物の蠧魚むしに過ぎん」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)