むし)” の例文
貴樣きさま等は書物のむしに成つてはならぬぞ。春日かすがは至つてちよくな人で、從つて平生もげんな人である。貴樣等修業に丁度ちやうど宜しい。
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
病余孤独の身は家を修むる力なく蔵書は唯むしの喰うにまかすより外はなかったからである。
写況雑記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
で、聞いて居る話も、むしが物をつたやうに、ところ/″\ウロ拔けがしたものになるのであるから、首尾貫通前後相應したものとなつて、明瞭に我が心頭に受取り終る事が出來ぬのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
書物のむし活學問くわつがくもん
遺教 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)