“詰責”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きっせき94.4%
とがめ5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこまで考えると、三枝子は最早もはや夫に対して昨夜のことを詰責きっせきせずにはいられない気がした。彼女は夫の方をぬすみ見た。
接吻を盗む女の話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
本棚のしみを防ぐ樟脳しょうのうの目にしむ如きにおいは久しくこの座敷に来なかったわたしの怠慢を詰責きっせきするもののように思われた。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
鋭い良心の詰責とがめは、身をまもる余儀なさの弁解いひわけと闘つて、胸には刺されるやうな深い/\悲痛いたみを感ずる。丑松はぢたり、おそれたりしながら、何処へ行くといふ目的めあても無しに歩いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)