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しみ
ふりがな文庫
“
吝
(
しみ
)” の例文
お蔦 食べる物をあげたいけど、ここの家は
吝
(
しみ
)
ッ
垂
(
た
)
れで話にならない。あたしの身上ありッたけやるから、どこかで何か食べてお行き。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
最後の甚だ
吝
(
しみ
)
ったれた時間を夫婦
喧嘩
(
げんか
)
に費すという身分ででもあれば、私は、大阪の土地くらい煙たい階級のいない、のんきな、明るい
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
すると、なんともありませんや。……あはははは、こんな
吝
(
しみ
)
ッたれた喧嘩なんざあ、おかしくって、売る気にも買う気にもなれやしません
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わざと思切って
吝
(
しみ
)
ったれな真似をした
挙句
(
あげく
)
に過分な茶代を気張って見たり、シンネリムッツリと
仏頂面
(
ぶっちょうづら
)
をして置いて急に
噪
(
はしゃ
)
ぎ出して騒いで見たり
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「お前のような娘が一人あれば、こんな
吝
(
しみ
)
ったれな料理屋なんかしていやしないなんて、そんなことを言うんですよ。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
この大山師の、穢ない
吝
(
しみ
)
ったれ野郎め! おれはもうこれからさき君みたいな男とは、いっさい、つきあわないよ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
予
(
かね
)
てから独逸人が
吝
(
しみ
)
つたれで、慾深で、有る程のものは
掻
(
か
)
つ
払
(
ぱら
)
はずには
居
(
を
)
られない癖を知つてゐるので、てんでに財産を
慝
(
かく
)
まふのに智慧を絞つたものだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
だから、一枚千二百円の、大きい
硝子
(
ガラス
)
窓など、心斎橋商人の
吝
(
しみ
)
ったれには、恐らく、その価値が判るまい。
大阪を歩く
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
この乙松あな、
吝
(
しみ
)
ったれた施しをして自分の悪事の尻拭いをするような、けちな野郎たあ種が違うんだ
暗がりの乙松
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
……。尤も、定太郎のせいばかりじゃない。子供のときから親父のいいなり次第。張りのねえ男で、
吝
(
しみ
)
ったれが盆栽を
弄
(
いじ
)
るようにすっかり枝を
矯
(
た
)
められてしまったせいなんでしょうが……
平賀源内捕物帳:山王祭の大像
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
どぶの水を持って来て
引掻
(
ひっか
)
き廻させようなんぞは、
吝
(
しみ
)
ったれでお話にならねえ
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
まあそう
吝
(
しみ
)
ったれるなってことよ。昔やそれでも、おれの色じゃねえか。おたがい大あつあつだった頃にや、仲よく遊び𢌞りもしたし、秋の夜長をしんみり語り明かしたこともあるじゃねえか。
ムツェンスク郡のマクベス夫人
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
じゃ、その礦地とはいったい
何処
(
どこ
)
にあるか。また、どうして俺がそれを見付けたかということを、これから諸君にかい摘んで話そう。しかしだ、今度は七万ミルなんてえ、
吝
(
しみ
)
ったれは止めて貰うよ。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
吝
(
しみ
)
ったれた
兄哥
(
あにい
)
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
常磐津
(
ときわず
)
の師匠のところへ通っている向うの子でも、仲よしの通りの古着屋の子でも、一度も自分のような
吝
(
しみ
)
ったれた使いに出されたことがなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「やかましいやい
糸鬢
(
いとびん
)
野郎めッ、二分や三分の端た金に
吝
(
しみ
)
ッたれた騒ぎ方をするな、さ、木戸銭は先にくれてやるから、こっちの
対手
(
あいて
)
の一角を出せッ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家康の
祖父
(
ぢい
)
さんだけにこんな事にも
吝
(
しみ
)
つたれだつたと見える。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あんな
吝
(
しみ
)
ったれな百姓なんかしかたがないじゃないか。だから財産はなくても、ちゃんと独立のできる男でなければ。青木も意気地がないじゃないか。
挿話
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
人の顔の棚下ろしでゴマ化そうてえんだから恐れ入っちまうじゃありませんか、ねえ、この
吝
(
しみ
)
ッたれなご面相でさ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
吝
(
しみ
)
つたれやな、こんなやとお
菰
(
こも
)
に施しも
出来
(
でけ
)
へんがな。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
吝
(
しみ
)
ッたれ
奴
(
め
)
! 二百匹ばかりの軍馬がなんだ。あの馬を奪りあげたのは、かくいう張飛だが、われをさして強盗とは聞き捨てならん。おれが強盗なら汝は
糞賊
(
ふんぞく
)
だ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「今朝も××が来て、この際何か書けるなら、出来るだけのことはするとか言ってくれたがね、まあ病気でも
癒
(
なお
)
ってから願おうと言っておいた。己はこんなにまでなって書こうとは思わん。」と先生はその
吝
(
しみ
)
ったれを
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
近習番頭取の土肥半蔵ときたひには、
他人
(
ひと
)
の
伜
(
せがれ
)
の品行まで頭痛にやむニガ虫屋の
堅蔵
(
かたぞう
)
だ。——その
親父
(
おやじ
)
のまえで、
吝
(
しみ
)
たれた酒など飲むのは、
招
(
よ
)
ばれても、こっちで、ごめん
蒙
(
こうむ
)
りたい。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何だ、
吝
(
しみ
)
ッたれやがッて、二両ばかしとは。——まアいいや、
爺
(
とっ
)
さん、十五両もありゃあ、宿屋払いをして、あとを路銀に国へ帰れようが。……あれまた、シュクシュク始めやがったぜ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なにか。
楽和
(
がくわ
)
さんには、
吝
(
しみ
)
ッたれずに、たんまり
銀子
(
ぎんす
)
を預けてやったか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『忌々しいな、
吝
(
しみ
)
ったれ屋敷め』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
吝
(
しみ
)
ッたれめ、よこさぬか」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吝
(
しみ
)
ッたれ。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吝
漢検1級
部首:⼝
7画
“吝”を含む語句
吝嗇
吝嗇漢
吝嗇家
吝嗇坊
鄙吝
吝々
物吝
卑吝
吝嗇者
慳吝
吝嗇奴
吝嗇爺
吝嗇屋
吝嗇臭
吝坊
吝垂
吝気
吝臭
吝薔
貪吝
...