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染
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しみ
ふりがな文庫
“
染
(
しみ
)” の例文
帽子に着いている血の
染
(
しみ
)
と、急拵えの石の
竈
(
かまど
)
と、その
傍
(
わき
)
に落ちていたセリ・インデヤ人の毒矢とを見れば、ジョン少年の運命は知れる。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
天井を
仰向
(
あおむ
)
いて視ると、
彼方此方
(
あちこち
)
の雨漏りの
暈
(
ぼか
)
したような
染
(
しみ
)
が化物めいた模様になって浮出していて、何だか
気味
(
きび
)
の悪いような部屋だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
五色
(
ごしき
)
ばかりではなく
木
(
き
)
の葉の黄ばんだのも面白く、又
染
(
しみ
)
だらけになったのも面白い、これは唯其の人の好みによって色々になるのでございます。
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まるきしその気配さへ分らないし、たとへ其処に居るとは分つても、人々はこの建物に当然の
染
(
しみ
)
ほどにしか考へない
黒谷村
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
聞いておあげなさいませ。あちらのお言葉が
染
(
しみ
)
になってお
身体
(
からだ
)
へつくようにも反感を持っていらっしゃるのですね
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
粗
(
あら
)
い
銘仙
(
めいせん
)
の膝が少し
染
(
しみ
)
になった。その上へ、手巾の
皺
(
しわ
)
を
叮嚀
(
ていねい
)
に
延
(
の
)
して四つ折に敷いた。
角
(
かど
)
をしっかり抑えている。それから眼を上げた。眼は海のようである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若
(
も
)
しその皮の上に
一寸
(
ちょっと
)
した
染
(
しみ
)
が出来るとか、一寸した
創
(
きず
)
が付くとかしますと、わたくしはどんなにしてでも、それを
癒
(
い
)
やしてしまわずには置かれませんでした。
女の決闘
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
と、喬介の顔色が急に
赧
(
あか
)
らみかけて来た。成る程、喬介の手元を見ると、
新
(
あらた
)
に掘り出されたまだ余り古くない白銀色の鉄粉の層の上に、褐色の錆を浮かした大きな
染
(
しみ
)
が出て来た。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
見廻すに
闇
(
やみ
)
の夜なれども
星明
(
ほしあか
)
りに
透
(
すか
)
せば白き骨の多くありて何れが父の
骨
(
ほね
)
共
(
とも
)
知
(
し
)
れず
暫時
(
しばし
)
躊躇
(
ためらひ
)
居
(
ゐ
)
たりしが
骨肉
(
こつにく
)
の者の骨には
血
(
ち
)
の
染
(
しみ
)
ると聞し事あれば我が
血
(
ち
)
を
絞
(
しぼ
)
り掛て見んと
指
(
ゆび
)
を
噛
(
かみ
)
て
血
(
ち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一つだけあいたままになっている焚口の火を映して、建物の中に充満した濃霧は橙色にぼうと染まり、その幻想的な明るさの下で、床の上の
染
(
しみ
)
は鮮やかに赤く、点々と彼女の足跡を追っていた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
露に
湿
(
しめ
)
りて心細き夢おぼつかなくも馴れし都の空を
遶
(
めぐ
)
るに無残や
郭公
(
ほととぎす
)
待
(
まち
)
もせぬ耳に眠りを切って
破
(
や
)
れ
戸
(
ど
)
の
罅隙
(
すきま
)
に、我は
顔
(
がお
)
の明星光りきらめくうら悲しさ、
或
(
ある
)
は柳散り
桐
(
きり
)
落
(
おち
)
て無常身に
染
(
しみ
)
る野寺の鐘
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いささの
染
(
しみ
)
をもえは
許
(
ゆる
)
さぬ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
むかしこの建物の中に自分といふ存在が
染
(
しみ
)
のやうに生きてゐたこと、今は已に消滅して見当らぬことなどを考へる者もなく、第一その話を思ひ出してさへ
黒谷村
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
額
(
ひたい
)
の
広
(
ひろ
)
い
眼
(
め
)
の大きな仏教に縁のある相である。
縮
(
ちゞみ
)
の
襯衣
(
しやつ
)
の上へ
脊広
(
せびろ
)
を着てゐるが、
脊広
(
せびろ
)
は
所々
(
ところ/″\
)
に
染
(
しみ
)
がある。
脊
(
せい
)
は頗る高い。瘠せてゐる所が暑さに釣り合つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その列の尖端、つまり血の雫の落始まった処は、屍体よりも約五
呎
(
フィート
)
程の東寄にあって、其処には同じ一点に数滴の雫が、停車中の機関車の床から落ちたらしく雪の肌に
握拳
(
にぎりこぶし
)
程の
染
(
しみ
)
を作っている。
気狂い機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
一つだけあいたままになっている焚口の火を映して、建物の中に充満した濃霧は
橙色
(
だいだいいろ
)
にぼうと染まり、その幻想的な明るさの下で、床の上の
染
(
しみ
)
は鮮やかに赤く、点々と彼女の足跡を追っていた。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
足に任せて小篠堤に來掛る頃は早
北斗
(
ほくと
)
の
劔先
(
けんさき
)
尖
(
するど
)
く光りゴンと
突
(
つき
)
出す
子刻
(
こゝのつ
)
の
鐘
(
かね
)
の
響
(
ひゞ
)
きも身に
染
(
しみ
)
て
最
(
いと
)
物凄
(
ものすご
)
く聞えけり
折柄
(
をりから
)
堤
(
つゝみ
)
の
蔭
(
かげ
)
なる
竹藪
(
たけやぶ
)
の中より
面
(
おもて
)
を
包
(
つゝ
)
み身には
黒裝束
(
くろしやうぞく
)
を
纏
(
まと
)
ひし一人の
曲者
(
くせもの
)
顯
(
あらは
)
れ
出
(
いで
)
物
(
もの
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其の
染
(
しみ
)
る事というものは一通りなりませんから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼が止みがたい放浪を感ずるのも、一つにはこの狂燥の
染
(
しみ
)
が、あまりやるせないリズムを低く響かせるから。
黒谷村
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
後
(
あと
)
はただ処々に黒い
染
(
しみ
)
がボンヤリ着いて見えるだけなんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
其処では、慌ただしげに出入する老若の人人が、晴れたる日とは趣きの違ふ心構へで呟きを残し
染
(
しみ
)
を落して変転し、空虚なる人の心を慰めもし紛らせもする。
竹藪の家
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
私は路傍の何人とも(況んや豚に於ておや)交りを結ぶに垣根を構える卑屈な要心は用ひないが、心に
染
(
しみ
)
がうつるほどの交りの深さに達すると、私は突然背中を向ける習慣である。
狼園
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
染
常用漢字
小6
部首:⽊
9画
“染”を含む語句
馴染
感染
伝染
幼馴染
煮染
血染
香染
藍染川
染衣
染出
顔馴染
友染
垢染
藍染
曙染
世帯染
茜染
傳染
黒染
蘇芳染
...