“骨肉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こつにく73.7%
みうち10.5%
しんみ5.3%
ちすじ5.3%
ほねみ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明るい電燈の下に葉子と愛子と向かい合うと、久しくあわないでいた骨肉こつにくの人々の間にのみ感ぜられる淡い心置きを感じた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それも真実わが腹痛めた。息子か娘が患者の場合じゃ。ほかの骨肉みうちの連中と来たなら。同じ血分けたおや兄弟でも。実に冷淡無情なものだよ。ことにお若い妻君なんぞは。申訳もうしわけだけ二三日位は。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ですから、骨肉しんみの旦那様よりか、他人の奥様に憎悪にくしみが多く掛る。町々の女の目はほめるにつけ、そしるにつけ、奥様の身一つに向いていましたのです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
またはてんでんの小児こどもの噂などで、さのみ面白い話でもないが、しかしその中には肉身しんみの情と骨肉ちすじの愛とが現われていて、歎息たんそくすることもあれば
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
たよりなくおもうと、じきにさむさが骨肉ほねみにしみこんできました。しかし、かれは、一ぴきでいいからさかなれたときのことを空想くうそうして、もうそんなさむさなどはかんじなかったのであります。
北の国のはなし (新字新仮名) / 小川未明(著)