“肉身”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にくしん57.1%
しんみ21.4%
からだ7.1%
なかみ7.1%
7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしなどは随分ずいぶん我執がしゅうつよほうでございますが、それでもだんだん感化かんかされて、肉身にくしんのお祖父様ぢいさまのようにおした申上もうしあげ、勿体もったいないとはりつつも
またはてんでんの小児こどもの噂などで、さのみ面白い話でもないが、しかしその中には肉身しんみの情と骨肉ちすじの愛とが現われていて、歎息たんそくすることもあれば
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
見る/\小屋の中央まんなかには、巨大おほきな牡牛の肉身からだが釣るされて懸つた。叔父も、蓮太郎も、弁護士も、互に顔を見合せて居た。一人の屠手はのこぎりを取出した、脊髄あばらを二つに引割り始めたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
わが肉身は 卵殻の如く まつたく且つもろくして
無題 (新字旧仮名) / 富永太郎(著)