“肉叉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
フォーク38.1%
フオーク23.8%
にくさし9.5%
にくさ4.8%
にくさじ4.8%
フゥルシェット4.8%
フオク4.8%
ホオク4.8%
ホーク4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はその薄青いペンキの光る内側で、額に仕立てたミュンヘン麦酒ビールの広告写真を仰ぎながら、肉刀ナイフ肉叉フォークすさまじく闘かわした数度すどの記憶さえっていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
其三四郎に取つて、かう云ふ紳士的な学生親睦会は珍らしい。よろこんで肉刀ナイフ肉叉フオークを動かしてゐた。其あひだには麦酒ビールをさかんに飲んだ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
取止とりとめもない思いを辿っているうちに、空気が人いきれで重くなって、人々のさざめきや、皿の音や、酒杯さかずき肉叉にくさしの触れる音や
孤独 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
洋人銀の肉叉にくさを用ひ漢人翡翠ひすいはしる。しかして我俗わがぞく杉の丸箸を以て最上の礼式とす。万事皆かくの如し。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
スパゲティを牛酪バタいためている最中で、こちらも火急の場合だったが、石亭先生の弱りかたがあまりひどいので、肉叉フゥルシェットを持ったまま先生のほうへ近づいて行った。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
さうして肉刀ナイフをとり、肉叉フオクをとつて話を逃れようとした。すると相手は給仕を呼んで、菓物とキユラソオを命じ、卷煙草に火をつけて落ついて話し出した。
こんなことを言って、細くせた左の手で肉叉ホオクさじを持添えながら食った。宗蔵ははしが持てなかった。で、こういうものを買って宛行あてがわれている。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おおっぴらに城陽亭へ入って肉叉ホークをつかったり、独逸商館ドイツしょうかんの理髪床で頭髪を刈ったりするようなことは、たんに攘夷派の感情をあおるだけで、稚気に類したことだから、ありゃア
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)