肉叉フオーク)” の例文
其三四郎に取つて、かう云ふ紳士的な学生親睦会は珍らしい。よろこんで肉刀ナイフ肉叉フオークを動かしてゐた。其あひだには麦酒ビールをさかんに飲んだ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
と無口な學士にしては、滅多と無い叮嚀な説明をして、ガチヤン、肉叉フオークナイフを皿の上に投出し、カナキンの手巾ハンケチあわただしく口のまはりを拭くのであツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とほむかしに、燒肉ビフステーキすこぎてるからと怒鳴どなつて、肉叉フオークもつけずにいぬはせてしまつた一件いつけんや、「サンドウイツチ」は職工しよくにん辨當べんたう御坐ござるなどゝ贅澤ぜいたくつて
従来これまで義理にせまられて三度ばかし肉叉フオークを手にとつた事があるが、三度が三度とも赤痢になつた。
外科医の一人は堅いビフテキの一きれ肉叉フオーク尖端さきへ突きさして、その昔基督がしたやうに
西洋料理を食べるに、肉叉フオークを使はないで、何もかも肉刀ナイフで片づけてしまふ人がよくある。
アメリカの六代目大統領ジヨン・クインシ・アダムスは、国祖のそれと違つて肉叉フオークで食事をしたので、夫人はそれが気がかりでならなかつたものか、お客があるときまつたやうに