“一件”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつけん30.8%
いっけん23.1%
ひとつ15.4%
ひとくだり15.4%
いちぶしじゅう7.7%
こと7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其所そこれい唱歌しやうか一件いつけんだがね、ぼく色々いろ/\かんがへたが今更いまさら唱歌しやうかにもおよぶまいとおもふのだ如何どうだらう。『ろ』で澤山たくさんじやアないか。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
すこぶる真面目まじめな顔をしているが、早く当番を済まして、例の酒舗しゅほで一杯傾けて、一件いっけんにからかって遊びたいという人相である。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕などは一件ひとつ大きな大きな楽があるので、世の中が愉快で愉快でたまらんの。一日がつて行くのが惜くて惜くてね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「されどこの一件ひとくだりのことはファブリイス夫人こころに秘めてうからにだに知らせ玉はず、女官の闕員けついんあればしばしのつとめにとて呼寄せ、陛下へいかのおんのぞみもだしがたしとて遂にとどめられぬ。」
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
若い腰元は、試験も済んだので、老婆のところへ戻って行き、僧の一件いちぶしじゅうを報告しました。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
上方者は自分の物だと言って他人の物を引入れましたかどは重罪でございますけれども格別のお慈悲を以て所払いを仰せ付けられまして其の一件ことは相済みましたが、深見新左衞門の奥方は
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)