“為乍”の読み方と例文
旧字:爲乍
読み方割合
しなが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中には下層の新平民にくある愚鈍な目付を為乍しなが是方こちらを振返るもあり、中には畏縮いぢけた、兢々おづ/\とした様子して盗むやうに客を眺めるもある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)