“しなが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
磯長28.6%
科長21.4%
仕乍14.3%
杵長7.1%
為乍7.1%
品書7.1%
支那画7.1%
爲乍7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
磯長しながの小ゆるぎの荒浪千鳥。荒浪のそらうつ波の逆まきのとどろきが上、あああはれ、また向き向きに、稲妻のさをおびえに連れ連れ乱る。啼き連れ乱る。
この天皇の陵は、大野岡の丘の上より後に科長しながの大陵へ移されております。大野というのはヒダ、ミノから越前にもまたがるヒダ王国の要点たる大野郡を指すのでしょう。
飛騨の顔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「いいえ、あたし、あんまり突然なのでびっくりしたものだから……」そして私の方を振り向いて、「でも、すべて、こちらがいて下さるものですから」と自分の照れかくしを仕乍しながら私に愛想をした。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
上野かんづけの国五八迦葉山かせうざん下野しもづけの国五九二荒ふたら山、山城の六〇醍醐だいごみね、河内の六一杵長しなが山、就中なかんづく此の山にすむ事、大師の六二詩偈しげありて世の人よくしれり。
上野の国の迦葉山かしょうざん、下野の国の二荒山ふたらさん、山城の醍醐だいごみね、河内の杵長しなが山、そして、なかでもこの高野山にすんでいるということは、大師のお詠みになった詩偈しげにもあって
中には下層の新平民にくある愚鈍な目付を為乍しなが是方こちらを振返るもあり、中には畏縮いぢけた、兢々おづ/\とした様子して盗むやうに客を眺めるもある。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松は考深い目付を為乍しながら、父の死をおもひつゞけて居ると、軈て種牛の毛皮も悉皆すつかり剥取られ、角も撃ち落され、脂肪に包まれた肉身なかみからは湯気のやうな息の蒸上むしのぼるさまも見えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「じゃ、こんどは十四日の晩だよ。時間はいつものとおり。これが品書しながきだ。それじゃあ。あばよ。」
奇面城の秘密 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それと共にこの時代の北斎にはかへつて後年大成のに及んでしばしば吾人に不満足を与ふる支那画しながの感化いまだ甚しく顕著とならざる事を喜ばずんばあらず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
斯くて澤井友次郎は彼の町人のすゝめにより水口の宿外れよりお花を駕籠にのせ其身は町人と共に咄など爲乍しながら駕籠のあとに付てゆく程に一里餘りにして大野といへ建場たてばに來りしが友次郎は過つて草鞋の
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)