“かちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花鳥28.6%
蚊帳19.0%
家長9.5%
過重9.5%
河澄4.8%
火長4.8%
科長4.8%
花朝4.8%
花蝶4.8%
苛佻4.8%
課長4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家康は花鳥かちょう襖越ふすまごしに正純の言葉を聞いたのち、もちろん二度と直之の首を実検しようとは言わなかった。
古千屋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
……主君とのの御気象が、大公儀へは余程、大袈裟に聞こえていると見えてのう。この程、大阪乞食の傀儡師くぐつまわしや江戸のヨカヨカ飴屋、越後方言より蚊帳かちょう売りなぞに変化へんげして、大公儀の隠密が入込みおる。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
叔父は一番先に、どうというのか、真中の広い所に、家長かちょうらしく胡坐あぐらをかいてしまった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
俗社会の義理を過重かちょうする姉に比べて見ると、彼はあわれなものに対する好意すら失なっていた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
次は抽斎の痘科とうかの師となるべき人である。池田氏、名はいんあざな河澄かちょう、通称は瑞英ずいえい京水けいすいと号した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
火長かちょうと見えるものが二三人、手に手を得物提えものひっさげて、声高こわだか狼藉ろうぜきを咎めながら、あの沙門へ走りかかりますと、矢庭に四方から飛びかかって、からめ取ろうと致しました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「あたくし、理科三年の白丘しらおかダリアです。先生のところで実習するようにと、科長かちょうの御命令で、上りましたのですけれど」
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二月十五日の花朝かちょうの日のことであった。
黄英 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
氏は、取りすました花蝶かちょうなどより、妙に鈍重どんじゅうな奇形な、昆虫などに興味を持ちます。
一はその下僚の温良にして民に近き能吏のうり多く、他は精刻苛佻かちょうややもすればけつ以て直となし、察以て明となす酷吏こくり多し。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
課長かちょうは、いつも、こわばったかおをしているが、いえへかえって、細君さいくんや、どもたちにも、あんなつきで、ものをいうのだろうか。」と、さもまじめに、かんがえていたこともあります。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)