磯長しなが)” の例文
この二つの信念は、磯長しながびょうに籠った賜物たまものであった。聖徳太子からささやかれた霊示であると彼は感激にみちて思う。けれど
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
磯長しながの小ゆるぎの荒浪千鳥。荒浪のそらうつ波の逆まきのとどろきが上、あああはれ、また向き向きに、稲妻のさをおびえに連れ連れ乱る。啼き連れ乱る。
磯長しながの太子廟で、あなたに会った年は、私の十九の冬でした。以来十年、私はなにをしてきたか。あの折も、仏学に対する懐疑で真っ暗でした。今も真っ暗なのです。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつまでかまたく迷ふぞ、いつまでか飛びてやまぬぞ。磯長しながの小ゆるぎの荒浪千鳥。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「性善坊、わしは、少し思う仔細があって、これから磯長しながさとへまわりたいと思うが……」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
磯長しながゆるぎの浜、この浜や荒浪高し。この夜ごろいよいよ高し。
武蔵には怪訝けげんであったが、彼の説明を口吻こうふんのままかりていうと、これなん河内かわち石川郡東条磯長しなが霊廟れいびょうに用いられてあった天平年代の古材で、年久しく荒れていた聖徳太子の御廟ごびょうの修築に
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
磯長しながゆるぎの浜、この浜や荒浪高し。この夜ごろいよいよ高し。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)