“磯長”の読み方と例文
読み方割合
しなが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この二つの信念は、磯長しながびょうに籠った賜物たまものであった。聖徳太子からささやかれた霊示であると彼は感激にみちて思う。けれど
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
磯長しながの小ゆるぎの荒浪千鳥。荒浪のそらうつ波の逆まきのとどろきが上、あああはれ、また向き向きに、稲妻のさをおびえに連れ連れ乱る。啼き連れ乱る。
磯長しながの太子廟で、あなたに会った年は、私の十九の冬でした。以来十年、私はなにをしてきたか。あの折も、仏学に対する懐疑で真っ暗でした。今も真っ暗なのです。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)