“磯部”の読み方と例文
読み方割合
いそべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きょうもまた無数の小猫の毛を吹いたような細かい雨が、磯部いそべの若葉を音もなしに湿らしている。家々の湯の烟りも低く迷っている。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼には義雄の家で用向のために待受ける約束の人があり、保養らしい保養もしないでいるあの兄を誘って磯部いそべあたりまで行って見たいという心があった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今歳ことしのなつの避暑へきしよには伊香保いかほかんか磯部いそべにせんか、ひとおほからんはわびしかるべし、うしながら引入ひきいれる中川なかゞはのやどり手近てぢかくして心安こゝろやすところなからずやと
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)