“佗”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わび60.0%
36.6%
さび1.4%
わびし0.7%
0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ幼稚園の冬子はその時間中相手になってくれる人がないので、仲間はずれのわびしさといったようなものを感じているらしかった。
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
凡てに縁遠いような自分の姿がびしく顧みられた。そして面倒くさかった。為すべきこと、在るべきことが、面倒くさかった。
生あらば (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
しかし、彼女は青磁のリノリウムに花の浮いた波浪をつくると、突然、さびしさを堪えた悲しみのせきがこわれるのだ。
果して人の入来いりきて、夕餉ゆふげまうけすとて少時しばしまぎらされし後、二人はふべからざるわびしき無言の中に相対あひたいするのみなりしを、荒尾は始て高くしはぶきつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
なんぞかへつてみづかいろまよふことをなして、女子ぢよし愛戀あいれんし、あまつさ關帝くわんていひげべにる。言語道斷ごんごだうだんぢやと。すでたけかごつくらしめ、これにりてなかしづめんとす。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
都から来た人たちの中、何時イツまでこの山陰に、春を起きすことか、とびる者が殖えて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)