“わび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
40.0%
31.1%
21.6%
謝罪4.2%
1.5%
1.0%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅館もあるし、洗濯屋せんたくやもあった。町の四辻に写真屋があり、その気象台のような硝子の家屋に、秋の日の青空がわびしげに映っていた。
猫町:散文詩風な小説 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
わびさせ其夜の中に事をすませ叔母も名主方へぞ參りける是は傳吉が留守中るすちうおはや憑司は不義ふぎなしお梅は昌次郎と密通みつつうに及びて居たるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今日まで生きて来て、何も彼も、国とともに喪失してしまつてゐると云ふ感情は、背筋が冷い、この冬の雨のやうなわびしさだつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
おれの思案より先に身体がとっくに動いて居るなぞは頼もしい、なあにお吉心配することはない、十兵衛と御上人様に源太が謝罪わびをしてな
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
で、間に取成してくれい、わびを言うてくれい、とのおたのみぢやけれど、それは僕はん。為んのは、間に対してどうも出来んのぢやから。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
梅子が泣いて見あげた眼の訴うるが如くわびるが如かりしを想起おもいおこす毎に細川はうっとりと夢見心地になり狂わしきまでに恋しさのこころ燃えたつのである。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
……やつれた束ね髪ででもありましょうか、薄暗い行燈あんどんのもとに筆をとっている、ゆかしい、あわれな、わびしい姿が、何となく、なつかしく目に映る。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一体、こんな寒々とした少しの温かみのない曇り日の景色というものには、どうしても隠しきれぬほどわびしい感じにとらえられるものであった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)