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詑
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わび
ふりがな文庫
“
詑
(
わび
)” の例文
勘次
(
かんじ
)
はそれでも
他
(
た
)
に
分別
(
ふんべつ
)
もないので
仕方
(
しかた
)
なしに
桑畑
(
くはばたけ
)
を
越
(
こえ
)
て
南
(
みなみ
)
へ
詑
(
わび
)
を
頼
(
たの
)
みに
行
(
い
)
つた。
彼
(
かれ
)
は
古
(
ふる
)
い
菅笠
(
すげがさ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
頭
(
あたま
)
へ
翳
(
かざ
)
して
首
(
くび
)
を
蹙
(
ちゞ
)
めて
行
(
い
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
で、間に取成してくれい、
詑
(
わび
)
を言うてくれい、とのお
嘱
(
たのみ
)
ぢやけれど、それは僕は
為
(
せ
)
ん。為んのは、間に対してどうも出来んのぢやから。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ある下婢はまことに人の
好
(
い
)
いものでは有つたが、しかし心の浮々とした女で、長く奉公する間には幾度となく
失策
(
しくじり
)
をして、その度に
詑
(
わび
)
を入れて来た。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
夜
(
よ
)
は
慙恨
(
ざんこん
)
の
情
(
じょう
)
に
駆
(
か
)
られて、一
睡
(
すい
)
だもせず、
翌朝
(
よくちょう
)
遂
(
つい
)
に
意
(
い
)
を
决
(
けっ
)
して、
局長
(
きょくちょう
)
の
所
(
ところ
)
へと
詑
(
わび
)
に
出掛
(
でかけ
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
蝶吉に
肱鉄砲
(
ひじ
)
を食ッて、
鳶頭
(
かしら
)
に懐中の駒下駄を焼かれた上、人の
妓
(
こども
)
を食おうとする、獅子身中の虫だとあって、内の
姉御
(
あねご
)
に御勘気を
蒙
(
こうむ
)
ったのを、
平蜘蛛
(
ひらぐも
)
で
詑
(
わび
)
を入れて、以来きっと心得まするで
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
さうして僕に
詑
(
わび
)
を為てくれ、それが成らずば、君に一遍逢せてくれ、と
縋
(
すが
)
つて頼むのじやな、けれど僕も思ふところが有るから拒絶はした。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其夜
(
そのよ
)
は
慙恨
(
ざんこん
)
の
情
(
じやう
)
に
驅
(
か
)
られて、一
睡
(
すゐ
)
だも
爲
(
せ
)
ず、
翌朝
(
よくてう
)
遂
(
つひ
)
に
意
(
い
)
を
决
(
けつ
)
して、
局長
(
きよくちやう
)
の
所
(
ところ
)
へと
詑
(
わび
)
に
出掛
(
でかけ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
やがて追い着いて手を引くまで、
詑
(
わび
)
をする気でこうしている。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もう二度と私はお目には掛りませんから、今日のところはどうとも堪忍して、
打
(
ぶ
)
つなり、
殴
(
たた
)
くなり貫一さんの勝手にして、さうして
少小
(
すこし
)
でも
機嫌
(
きげん
)
を直して、私のお
詑
(
わび
)
に来た訳を聞いて下さい」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
詑
漢検準1級
部首:⾔
12画
“詑”を含む語句
御詑
其詑
詑入
詑摩
詑言