“かこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カコ
語句割合
24.6%
17.1%
14.1%
水夫8.3%
5.0%
過去4.0%
舟子2.8%
水主2.3%
2.3%
水手2.0%
船夫2.0%
1.8%
加古1.3%
1.0%
0.8%
舟夫0.8%
舵手0.5%
賀古0.5%
舵子0.5%
船子0.5%
0.5%
0.5%
囲繞0.5%
0.5%
舸子0.5%
假己0.3%
舟人0.3%
0.3%
0.3%
主水0.3%
仮托0.3%
0.3%
包囲0.3%
可古0.3%
圍繞0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
柯古0.3%
歌呼0.3%
歎息0.3%
水子0.3%
0.3%
舟師0.3%
0.3%
鹿0.3%
鹿児0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでわたしたちはかこんで、いっしょにくらすばんなどには、そういう古い本をたんすから引き出して、めいめいに分けて読んだ。
むなく帰省して見れば、両親は交々こもごも身の老衰を打ちかこち、家事を監督する気力もせたれば何とぞ家居かきょして万事を処理しくれよという。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
夕涼ゆふすゞみにはあしあかかにで、ひかたこあらはる。撫子なでしこはまだはやし。山百合やまゆりめつ。月見草つきみさうつゆながらおほくは別莊べつさうかこはれたり。
松翠深く蒼浪遥けき逗子より (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
船頭せんどう水夫かこも昂奮したが、船上の一座もすくんだように重くなって、立ち上る元気よりは、こわいものを見る心持が鉛のようになる。
憮然ぶぜんとして腕を組んだ栄三郎の前に、つがいを破られて一つ残った坤竜丸が孤愁こしゅうかこつもののごとく置かれてあるのを見すえている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
で、わたくしは一しょう懸命けんめいふか統一とういつはいり、過去かこの一さい羈絆きずなることによりて、一そう自由自在じゆうじざい神通力じんつうりきめぐまれるよう、こころから神様かみさま祈願きがんしました。
舟子かこの一人は、それを気にするやうに、そつと舷から外を覗いて見た。霧の下りた海の上には、赤い三日月が陰々いんいんと空に懸つてゐる。すると……
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
律義なる水主かこ船頭を載せて羽州能代に下しけるに、思ふまゝなる仕合せを得、二年目に万事さしひいて六貫目の利を見たり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
十九にして恋人を棄てにし宮は、昨日きのふを夢み、今日をかこちつつ、すぐせば過さるる月日をかさねて、ここに二十はたちあまりいつつの春を迎へぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
我はうるはしきシレーナなり、耳を樂しましむるもの我に滿ちみつるによりて海の正中たゞなか水手かこ等を迷はす 一九—二一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あなたはブランコが揺れるままに、何時いつかしら、藍色あいいろのキモノに身を包んで藍色の大海原を帆走る一個の船夫かこであった。
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
吹通ふきとほしのかぜすなきて、雪駄せつたちやら/\とひととほる、此方こなた裾端折すそはしをりしか穿物はきものどろならぬ奧山住おくやまずみ足痕あしあとを、白晝はくちういんするがきまりわるしなどかこつ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
加古かこ古鷹ふるたか青葉あおば衣笠きぬがさの艦列から千メートル手前に、真白な、見上げるように背の高い水煙が、さーッと、奔騰ほんとうした。どれもこれも、一定の間隔を保って、見事に整列していた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
同じく鬱蒼たる橄欖の林にかこまれて、絵のように美しい、石造りの大殿堂がそびえ立っているのに、驚嘆の瞳を向けずにはいられなかったのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
まして他人の誰れにかかこつべき、月の十日に母さまが御墓まゐりを谷中やなかの寺に樂しみて、しきみ線香夫々の供へ物もまだ終らぬに、母さま母さま私を引取つて下されと石塔に抱きつきて遠慮なき熱涙
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
阪下さかしたという、ごろた石の土手の斜面に舟夫かこはちょいと舟をとめる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
星霜せいそう移り人は去り、かじとる舵手かこはかわるとも
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「マダ早いよ、僕の処は夜るが昼だからね。眠くなったらソコの押入から夜具を引摺ひきずり出してゴロ寝をするさ。賀古かこなぞは十二時が打たんけりゃ来ないよ、」
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
ありゃあ水神結びってね、早船乗りの舵子かこが、三十五反を風にやるめえとするえれえいわく因縁のある糸玉いとだまだあね。あれを一眼見てあっしもははあと当りをつけやしたよ。
船子かこよ船子よ疾風はやちのなかに帆を張ると死ぬがごとくに叫ぶ船子等よ
樹木とその葉:03 島三題 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
自分達のへやは地面の上の穴倉みたような所で、四方共頑丈がんじょうな建物だの厚い塗壁だのにかこまれて、縁の前の小さい中庭さえ比較的安全に見えたけれども、周囲一面から出る一種すさまじい音響は
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
(頼朝をかこう者、木戸の警備を怠った者、等しく断罪に処するであろう)
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『それで襲うたのは、あの公園に囲繞かこまれておる別荘か?』
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
………四五日にして小屋の木材を切り取り、樹皮を剥ぎて屋根とし、且つ四囲をかこい、あるいは敷きて座敷とせり。………夫れより開墾して六月十八日迄に一反半を開き、燕麦からすむぎ牧草を蒔付まきつけたり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
時々はわかさぎ舟の舸子かこうた
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
〔譯〕本然ほんぜん眞己しんこ有り、躯殼くかく假己かこ有り。須らく自らみとめ得んことを要すべし。
〔譯〕眞己しんこを以て假己かこつ、天理なり。身我しんがを以て心我をがいす、人欲じんよくなり。
遺憾なは「これより上へはどうしても今日はのぼれませんで」と舟人かこはまた棹をいっぱいに岩に当てて張り切ったことである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
煙霧は模糊もことして、島のむこうの合流点の明るく広い水面を去来し、濡れに濡れた高瀬舟は墨絵の中のみのと笠との舟人かこに操られてすべって行く。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
かここゝの身代にて八十兩位は我が百文の錢程にも思ふまじ何事も御主人の爲と思ひあの金八十兩を盜取ぬすみとらんと喜八が不※ふとむねうかみしはこれ災難さいなんもとゐなり夫より喜八は質物を我家わがや持歸もちかへりて吉之助を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
請給ふか正實のかしらかみやどると世のことわざいつはりかやあゝなさけなきことどもなりと神をうらみ佛をかこしきりに涙に暮居たり伊藤半右衞門は大いに急立せきたて一言の答へなきは愈々いよ/\僞りなるべし白状せぬからはほね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
永禪和尚とお梅と間男をして居りみして、七兵衞がっては邪魔になるというて、とゝまの七兵衞を薪割で打殺ぶちころし、本堂のいんの下へかこしたところが、われえ事は出来でけぬものじゃなア、心棒が狂いまごうたから
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
先に藤屋七兵衞の死骸しげえかこしてるのを死骸しげえとは知らいで、寺男の庄吉が先へ誰か逃込のげこんで床下よかしたに此の通りちま/\とねなってりみすと思って、おべの処へ後生大事におさん取付とッついて居りみすと、さ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
主水かこ町、天王崎門前、幅下新道、南飴屋町、綿屋町等にも、京、大阪、伊勢等より遊女多く入り込み、随って各種の祭事此時より盛んなり
天主閣の音 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この現実は手にあまる、という一部の人々の自己放棄の告白が、読者の文化の水準に仮托かこつけて逆の側から表現された点が、今日の読者のありようにもつながる意義をもつのである。
今日の読者の性格 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
我はこれを聞きつゝも、むかしの羈靮きづなの再び我身にまつはるゝを覺えて、只だ恩人に見放されたる不幸なる身の上をかこちぬ。公子は我を慰めがほに、又詞を繼いで云ふやう。
街路の上から群衆の姿が少くなると、騎馬隊へ向けて発砲した家の周囲が、工部局巡捕によって包囲かこまれた。機関銃が据えられた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
稲日野いなびぬぎがてにおもへればこころこほしき可古かこしまゆ 〔巻三・二五三〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
堅牢けんらうなるてつおりをもつて圍繞かこまれ、下床ゆか彈力性だんりよくせいいうするクロー鋼板かうばんで、上部じやうぶ半面はんめん鐵板てつぱんおほはれ、半面はんめん鐵檻てつおりをもつてつくられ、鐵車てつしや都合つごう十二の車輪くるまそなへ、其内そのうち齒輪車しりんしや
かこかなしむさま如何いかにも不便ふびんと思ふよりたちまちくるふ心のこまやゝ引止ひきとめん樣もなく然樣さうなら今宵こよひはしりと彼の久八の異見いけんわすれ何れ返事はあうての上と言ば吉六しめたりと雀躍こをどりなして立歸りぬそれより千太郎はたな都合つがふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何かにかこつけて邸へ出入りする当世風の若紳士、隙があれば喰はふといふ君達狼連まで、有るは/\、自称候補者の面々が無慮一万人ばかりだね。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
左りの手にてかこう筈なし余は最早もはや我が心をおさゆあたわず、我が言葉をも吐くあたわず、身体に満々みち/\たる驚きに、余は其外の事を思う能わず、あたかも物に襲われし人の如く一せい高く叫びしまゝ
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
この作者は唐の段成式だんせいしきであります。彼は臨淄りんしの人で、あざな柯古かこといい、父の文昌ぶんしょうが校書郎を勤めていた関係で、若いときから奇編秘籍を多く読破して、博覧のきこえの高い人物でありました。
或連袂歌呼 あるいたもとつらねて歌呼かこ
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「旦那、此界隈かいわいもヒドくさびれましたよ」と老人は歎息かこちつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
日に一度は川口の船屋敷へ出張して上荷あげに積荷の宰領をしていたが、夏も終って、川口に白々しらしらと秋波が立つ頃になると、船溜ふなだめにいる船頭や水子かこが、このごろ谷津の斜面なぞえにあるお邸の高楼たかどのに、一晩中
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
しかし実を云えば彼女は某重役のかこい者であったから、そこを無理を云って、辛うじて転落から免れた。
獏鸚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この時目のまはりに炎の輪ある淡黒うすぐろき沼なる舟師かこの鬚多き頬はしづまりぬ 九七—九九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この黒闇くらやみかこうておくのではないからぬ。
獵矢さつや手挾み鹿かこ追ふと
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
秋萩を妻鹿こそ、一子ひとりごに子たりといへ、鹿児かこじもの吾が独子ひとりごの、草枕旅にし行けば、竹珠たかだましじき垂り、斎戸いはひべ木綿ゆふでて、いはひつつ吾が思ふ吾子あこ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)