水手かこ)” の例文
老若男女打ち集い歓喜限りなし。別に何たるむつかしき説法あるにあらず。英国なども、漁村には漁夫水手かこ相応の手軽き礼拝堂あり。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
我はうるはしきシレーナなり、耳を樂しましむるもの我に滿ちみつるによりて海の正中たゞなか水手かこ等を迷はす 一九—二一
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こういう心持で、船の中の乗組、船頭、水手かこ楫取かんどりのすべての面を頭に浮べたが、どうも考えてみただけでは、これはと思わしい相手が思いつかない。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『げにかかりき』と、おい水手かこ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
たとへば背の弓をもて水手かこ等をいましめ、彼等に船を救ふの途を求めしむる海豚いるかの如く 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
帯のない女の衣裳形が、水手かこたちの口のに上らないところを以てして見ると、これは早くもお角さんのたしなみがあずかって救われたものです。お角さんは従容しょうようとして言いました
『げにかかりき』と、おい水手かこ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
水手かこの勝が威勢よく返事をしました。お松は伝馬に乗って岸へ行くためにかよぐちから出直して、伝馬に乗るべく元船もとふねを下りて行きました。その後で船頭、親仁おやじ水手かこ舵手かじとりらが
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
わきがたし眞帆と水手かことを
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
湖面を見つづけていた船頭の叫びで、水手かこ共が、よってたかって眼を皿のようにする。
水手かこはいままなこをあげぬ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
がやがや騒ぐ水手かこ楫取かじとりどもをおさえた船頭が、またも何か驚異の叫びを立てて
水手かこの翁はさびしげに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)