“元船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もとぶね60.0%
もとふね40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あとで聞くと、羽田あたりの漁船を頼んで、品川沖の元船もとぶねへ戻ったらしいんです。九兵衛親子を斬った浪士は何者だか判りません。
半七捕物帳:52 妖狐伝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
き、しまくと、元船もとぶね乘棄のりすてて、魔國まこくとこゝを覺悟かくごして、死裝束しにしやうぞくに、かみ撫着なでつけ、衣類いるゐ着換きかへ、羽織はおりて、ひもむすんで、てん/″\が一腰ひとこしづゝたしなみの脇差わきざしをさして上陸あがつたけれど
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
高谷君が元船もとふねからボートをおろして、その島の口へ漕ぎつけたのはもう九月の末の午後であったが、秋をしらない南洋の真昼の日は、眼がくらむように暑かった。
麻畑の一夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
水手かこの勝が威勢よく返事をしました。お松は伝馬に乗って岸へ行くためにかよぐちから出直して、伝馬に乗るべく元船もとふねを下りて行きました。その後で船頭、親仁おやじ水手かこ舵手かじとりらが
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)