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繞
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かこ
ふりがな文庫
“
繞
(
かこ
)” の例文
窓から
射
(
さ
)
して来ている灰色な光線は、どうかすると暗い部屋の
内部
(
なか
)
を
牢獄
(
ろうごく
)
のように見せた。周囲が冷い石で
繞
(
かこ
)
われていることもその一つである。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
同じく鬱蒼たる橄欖の林に
繞
(
かこ
)
まれて、絵のように美しい、石造りの大殿堂が
聳
(
そび
)
え立っているのに、驚嘆の瞳を向けずにはいられなかったのであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
白布をかけた数十のテーブルと、それを取り
繞
(
かこ
)
んで坐っているおびただしい娘たち。ざわめき、
陽炎
(
かげろう
)
のような話声、笑声、食器のふれ合う音などが空中へ鳴った。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
花に
繞
(
かこ
)
まれた玄関には、アカンザス模様を彫刻した幾本かの大理石の円柱がそそり立ち、中へ踏み込めば、そこには大広間の
嵌木細工
(
モザイク
)
の床の半ばを
掩
(
おお
)
うて
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
右手一面に
橄欖
(
かんらん
)
の林に取り
繞
(
かこ
)
まれた墓地の場面なのでありますが、この辺まで読み進んでまいりました時には、もはや、羅馬という観念は疑いを
挿
(
さしはさ
)
む余地もないまでに
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
そして一向に悲哀らしくもない
悲哀
(
トリステサ
)
を
繞
(
かこ
)
んで、その恰好に楽しげな笑いを挙げているのであったが、化粧と友人の訪問と観劇と夜会と……それ以外には何のすることとてもない身の上では
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“繞”の解説
繞(にょう)とは、漢字の構成要素のうち、左から下にかけて置かれるものの総称。筆順は先に書くものと後に書くものがある。
(出典:Wikipedia)
繞
漢検1級
部首:⽷
18画
“繞”を含む語句
囲繞
取繞
纏繞
圍繞
繞石
若悪獣囲繞
大谷繞石
纒繞
縈繞
引繞
繚繞
築繞
繞囲
繞壁
板塀繞
繞纒
繞込
建繞
崔嵬繚繞
舞繞
...