“囲繞”のいろいろな読み方と例文
旧字:圍繞
読み方割合
いにょう46.9%
とりま22.4%
いじょう15.3%
とりかこ4.1%
ゐねう4.1%
とりまい2.0%
かこ2.0%
いぎょう1.0%
たか1.0%
ゐげう1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ、どんなに多くの召使に囲繞いにょうせられても、母のない身のさびしさだけが、いわば唯一の淋しさだったということができましょう。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
賭場は、今が勝負の最中らしく、明神へ参詣帰りの客や、土地の者が、数十人集まってい、盆を囲繞とりまいて、立ったり坐ったりしていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それへ油単ゆたんを上から冠せた、そういう人と馬とを囲繞いじょうし、十数人の荒くれ男が、鉄砲、弓、槍などを担いで、護衛して歩いているからであった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして夫れは事が破れて、江戸は品川八ツ山下の御殿で、多くの捕吏ほり囲繞とりかこまれ、腹を掻っ切ったその時まで、彼の心を捉えたのである。
首頂戴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
早大附近の有ゆる道路は小刻みに走る観衆織るが如く、定刻にさきだつ一時間、既に早くグラウンドの周囲は逆捲く人浪を以て囲繞ゐねうせられて了つた。
「病気の癒ったお方には、私は用はございません。私を囲繞とりまいてくださるな。向こうへ行ってくださいまし。そうしてお働きなさいまし」
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
馬盥ばだらいだのふいごだの稲扱いねこきだのが置いてあったが、そのずっと奥の方に、裸体はだか蝋燭が燃えており、それを囲繞かこんで、六人の男が丁半しょうぶを争っていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
我々青年を囲繞いぎょうする空気は、今やもうすこしも流動しなくなった。強権の勢力はあまねく国内に行わたっている。現代社会組織はその隅々すみずみまで発達している。
囲繞たかつた職人達は高笑たかわらひをした。ミハイロも一緒になつて高笑をして、心の中で
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
そも/\燧山は岩代国にぞく巍峩ぎがとして天にひいで、其麓凹陥おうかんして尾瀬沼をなし、沼の三方は低き山脈を以て囲繞ゐげうせり、翻々たる鳧鴨ふわう捕猟ほりやうの至るなき為め悠々いう/\として水上に飛しやう
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)