“油単”の読み方と例文
旧字:油單
読み方割合
ゆたん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「……なにか御祝儀でもありましたろう、おりあしく、榊原のお徒士かち衆が油単ゆたんをかけた釣台つりだいをかついで門から出てまいりまして……それで……」
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それへ油単ゆたんを上から冠せた、そういう人と馬とを囲繞いじょうし、十数人の荒くれ男が、鉄砲、弓、槍などを担いで、護衛して歩いているからであった。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
時には、借る宿もなく、木蔭に油単ゆたんを敷いて、更着かえぎかついでしのぐ晩もあり、木賃きちん屋根やねの穴に星を見つつ臥す晩もあるが、寺院は最良な旅籠はたごだった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)