“油然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ゆうぜん91.4%
ゆぜん5.7%
いうぜん2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
実生活の圧迫を逃れたわが心が、本来の自由に跳(は)ね返って、むっちりとした余裕を得た時、油然(ゆうぜん)と漲(みな)ぎり浮かんだ天来(てんらい)の彩紋(さいもん)である。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
靈(れい)なる哉(かな)この石、天(てん)の雨(あめ)降(ふら)んとするや、白雲(はくうん)油然(ゆぜん)として孔々(こう/\)より湧出(わきい)で溪(たに)を越(こ)え峯(みね)を摩(ま)する其趣(おもむき)は、恰度(ちやうど)窓(まど)に倚(よ)つて遙(はる)かに自然(しぜん)の大景(たいけい)を眺(なが)むると少(すこし)も異(ことな)らないのである。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
どこに来た……これを低吟すると四歳と三歳の二児を育てるに苦労した時分の当時の姿が思ひ出されて油然(いうぜん)たる悲哀が胸にこみあげて来る——お手々つないで野道をゆけば……山のお寺の鐘が鳴る
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)