“とりま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
囲繞25.6%
取巻19.8%
取卷11.6%
取交11.6%
取囲7.0%
取捲7.0%
取繞5.8%
取圍2.3%
取廻2.3%
圍繞2.3%
取纏1.2%
取𢌞1.2%
打囲1.2%
混合1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こうした町つづきの外郭の建築物は内部に隠れたものを囲繞とりまきながら、あだかも全体の設計としての一部を形造っているように見える。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それは北見と石狩の国境に近く、ふたつのけわしい山塊さんかいに囲まれた平原で、湿地や沼沢の多い、つぶて洗出あらいだされたひどい荒蕪地こうぶち取巻とりまかれていた。
殺生谷の鬼火 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
快活くわいくわつなる水兵すいへい一群いちぐんその周圍まわり取卷とりまいて、『やあ、可愛かあひらしい少年せうねんだ、乃公おれにもせ/\。』と立騷たちさわぐ、櫻木大佐さくらぎたいさ右手めてげて
佐分利は二年生たりしより既に高利の大火坑にちて、今はしも連帯一判、取交とりま五口いつくちの債務六百四十何円の呵責かしやくあぶらとらるる身の上にぞありける。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
気が抜けた様に懵乎ぼうつとして編輯局に入ると、主筆と竹山と、モ一人の洋服を着た見知らぬ男が、暖炉を取囲とりまいて、竹山が何か調子よく話して居た。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
水司又市は十方でぶう/\/\/\と吹く竹螺たけぼらを聞きまして、多勢の百姓共に取捲とりまかれては一大事と思いまして、何処どこを何うくゞったか
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
若し、右のような態度が、人類のあり得べき発達の少くとも或る程度迄到達した状態であるとしたら、今日、我々の周囲を取繞とりまく、日本の社会はどうであろう。
この大騷動だいさうどうのちは、猛獸まうじう我等われら手並てなみおそれてか、容易ようゐちかづかない、それでも此處こゝ立去たちさるではなく、四五間しごけんへだてゝ遠卷とほまき鐵檻てつおりくるま取圍とりまきつゝ、猛然まうぜんえてる。
貞奴の旅情をなぐさめるためにと、旅宿の近所で花火をあげさせてばかりいた男の事や、彼女の通る街筋まちすじの群集が、「ヤッコヤッコ」と熱狂して馬車を幾層にも取廻とりまいてしまったという事や
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
わたしらを圍繞とりまくひろびろとした此の麥畑から
その千葉秀浦が推也納ウヰンナ旅籠屋はたごやで病死した時、環女史は多くの日本留学生に取纏とりまかれて、倫敦ロンドンで孔雀のやうな気取つた暮しをしてゐた。
建物たてもの取𢌞とりまはした一棟ひとむね其池そのいけのあるうへばかり大屋根おほやね長方形ちやうはうけい切開きりひらいてあるから雨水あまみづたまつてる。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
先祖を問へば、ペエテルのまだいくさの功名を世にとゞろかした時、屈竟の武士で、フオオト、クリスチナを打囲とりまいた一人のフアン、ヰンクル氏です。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
この荷物のゴチャゴチャした中で、お雪は往復いきかえりの旅を混合とりまぜて夫に話した。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)