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取繞
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とりま
ふりがな文庫
“
取繞
(
とりま
)” の例文
食堂から奥の座敷へ通うところは廻廊風に出来ていて、その間に静かな
前栽
(
せんざい
)
がある。
可成
(
かなり
)
広い、植木の多い庭が前栽つづきに座敷の
周囲
(
まわり
)
を
取繞
(
とりま
)
いている。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
若し、右のような態度が、人類のあり得べき発達の少くとも或る程度迄到達した状態であるとしたら、今日、我々の周囲を
取繞
(
とりま
)
く、日本の社会はどうであろう。
深く静に各自の路を見出せ
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この南部牛のまだ気息の残ったのを
取繞
(
とりま
)
いて、屠手のあるものは尻尾を引き、あるものは細引を引張り、あるものは出刃でもって咽喉のあたりを切った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
部屋へ来ては気休めに成るやうなことを言つて聞かせ、廊下へ出てはキヤツキヤツと笑ひ騒ぐ女中達に
取繞
(
とりま
)
かれながらも、夫人の耳は
兎角
(
とかく
)
患者の噂に傾いた。
灯火
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
私が今住む家は殆んど
周圍
(
まはり
)
を音樂で
取繞
(
とりま
)
かれて居るやうなところにあります。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
繞
漢検1級
部首:⽷
18画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付