“取柄”の読み方と例文
読み方割合
とりえ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
番頭の宇之助からも、これ以上は引出せさうもありません、四十恰好の、少し貧乏臭い男ですが、正直者らしいところが取柄とりえです。
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
その信雄が、もう少し、どうにか取柄とりえのある人物だと、この二人の人知れぬ苦労も少ないだろうが、いかにせん凡庸ぼんようはもう定かだ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、御安心ごあんしんください。——ゆきなか跣足はだし歩行あることは、都會とくわいぼつちやんやぢやうさんが吃驚びつくりなさるやうな、つめたいものでないだけは取柄とりえです。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)