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取巻
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とりま
ふりがな文庫
“
取巻
(
とりま
)” の例文
旧字:
取卷
入乱れて八方に展開し、其周囲には
霜
(
しも
)
に
染
(
そ
)
みた雑木林、人家を包む
樫
(
かし
)
木立
(
こだち
)
、丈高い宮の赤松などが遠くなり近くなりくるり
取巻
(
とりま
)
いて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それは北見と石狩の国境に近く、ふたつの
嶮
(
けわ
)
しい
山塊
(
さんかい
)
に囲まれた平原で、湿地や沼沢の多い、
礫
(
つぶて
)
の
洗出
(
あらいだ
)
されたひどい
荒蕪地
(
こうぶち
)
に
取巻
(
とりま
)
かれていた。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
円
(
まる
)
く
取巻
(
とりま
)
いた
中
(
なか
)
から、ひょっこり
首
(
くび
)
だけ
差
(
さ
)
し
伸
(
の
)
べて、
如何
(
いか
)
にも
憚
(
はばか
)
った
物腰
(
ものごし
)
の、
手
(
て
)
を
膝
(
ひざ
)
の
下
(
した
)
までさげたのは、五十がらみのぼて
振
(
ふ
)
り
魚屋
(
さかなや
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
二人は、恵美のうちの
糠
(
ぬか
)
小屋で遊んでいた。発見した男の子の群は、
何時
(
いつ
)
の間にか、小屋の周囲を
取巻
(
とりま
)
いてしまった。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
この
言
(
ことば
)
は
讖
(
しん
)
をなした。
翌々夜
(
よく/\や
)
の
秋田市
(
あきたし
)
では、
博士
(
はかせ
)
を
蝶
(
てふ
)
の
取巻
(
とりま
)
くこと、
大略
(
おほよそ
)
斯
(
かく
)
の
通
(
とほ
)
りであつた。もとより
後
(
のち
)
の
話
(
はなし
)
である。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
地上
(
ちじやう
)
にあつて、この
蒼白
(
あをじろ
)
い
苦患
(
くげん
)
に
取巻
(
とりま
)
かれてゐるわが
身
(
み
)
は、
今
(
いま
)
この
無垢
(
むく
)
の
血
(
ち
)
を
有
(
も
)
つてゐる
主
(
しゆ
)
の
幼児
(
をさなご
)
の
頸
(
くび
)
に
血
(
ち
)
を
吸取
(
すひと
)
つてやらうと、こゝまで
見張
(
みは
)
つて
来
(
き
)
たのである。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
それを聞くと一たん飛散った腰元達は、バラバラと駆け寄って、この狼藉者を
取巻
(
とりま
)
いてしまったのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:06 夢幻の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして三人がいよいよ成功してそのアメリカ人を
取巻
(
とりま
)
いて巣へ
引上
(
ひきあ
)
げようとかかるとみんな
一斉
(
いっせい
)
に
売春婦リゼット
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
道頓堀の五
櫓
(
やぐら
)
も
門並
(
のきなみ
)
のぞいて、
大家
(
たいけ
)
のお嬢様に納まりながら、昨日は富十郎芝居の役者や男衆が七、八人も
取巻
(
とりま
)
きで、島の内の
菖蒲茶屋
(
あやめぢゃや
)
、あそこで存分に遊び飽きておりましたのさ
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
墓石
(
はかいし
)
を
取巻
(
とりま
)
いて
戒名
(
かいみやう
)
が
彫
(
ほ
)
つてある。
塩原多助旅日記
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「はッ!」と思って振り向いた時、さっきの三人の紳士が拳骨をさし向けてばらばらと龍介を
取巻
(
とりま
)
いた。
骸骨島の大冒険
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ところで、近ごろ思いもよらぬ災難がお竹の身辺を
取巻
(
とりま
)
いて、真黒な渦を巻き始めたのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:15 お竹大日如来
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
遠
(
とほ
)
く
彼方
(
かなた
)
からひた/\と
小刻
(
こきざみ
)
に
駈
(
か
)
けて
来
(
く
)
るのは、二
本足
(
ほんあし
)
に
草鞋
(
わらぢ
)
を
穿
(
は
)
いた
獣
(
けもの
)
と
思
(
おも
)
はれた、いやさまざまにむら/\と
家
(
いへ
)
のぐるりを
取巻
(
とりま
)
いたやうで、二十三十のものゝ
鼻息
(
はないき
)
、
羽音
(
はおと
)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
髪結
(
かみゆい
)
のお
辰
(
たつ
)
と、
豆腐屋
(
とうふや
)
の
娘
(
むすめ
)
のお
亀
(
かめ
)
とが、いいのいけないのと
争
(
あらそ
)
っているうちに、
駕籠
(
かご
)
は
更
(
さら
)
に
多
(
おお
)
くの
人数
(
にんず
)
に
取巻
(
とりま
)
かれながら、
芳町通
(
よしちょうどお
)
りを
左
(
ひだり
)
へ、おやじ
橋
(
ばし
)
を
渡
(
わた
)
って、
牛
(
うし
)
の
歩
(
あゆ
)
みよりもゆるやかに
進
(
すす
)
んでいた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
眼の
眩
(
くら
)
むようなその陽ざしの中で、蹴球の猛練習に熱中している二年級の生徒が四五人、いまトラックの一隅にかたまって、一枚の紙片を
取巻
(
とりま
)
きながら
盛
(
さかん
)
になにか議論していた。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
バラバラと
押
(
お
)
っ
取巻
(
とりま
)
く官兵、ギラリギラリと
幾条
(
いくすじ
)
かの刃が芳年の眼に焼け付きました。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
やがてまた人々われを
取巻
(
とりま
)
きてありしことども責むるが如くに問ひぬ。
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
案山子
(
かゝし
)
が
三
(
み
)
ツ
四
(
よ
)
ツ、ふら/\と
取巻
(
とりま
)
いて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
巻
常用漢字
小6
部首:⼰
9画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付