“魚屋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さかなや66.7%
ととや11.1%
うをや5.6%
なや5.6%
やつ2.8%
いさばや2.8%
うおや2.8%
フィシュ・バア2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
君江は軒先のきさき魚屋さかなやの看板を出した家の前まで来て、「ここで待っていらっしゃい。」と言いすて、魚屋の軒下から路地ろじ這入はいった。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「井戸」「雲鶴うんかく」「熊川こもがい」「呉器ごき」「魚屋ととや」「金海」等々々。その名は甚だ多い。だが中で味わいの最も深いのは「井戸」である。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
忽ちくりやかたに人の罵りさわぐ声が聞えた。程近き街の魚屋うをやが猫に魚をぬすまれて勝手口に来て女中に訴へてゐるのであつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
一、石田治部少ぢぶせうの乱の年、即ち慶長五年七月十日、わたくし父魚屋なや清左衛門、大阪玉造たまつくりのお屋敷へ参り、「かなりや」十羽、秀林院様へ献上仕り候。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その落いた魚屋やつの襟印を見て帳面に『一円五十銭……茂兵衛』とか何とか私共一流の走書きに附込んだやつさらうように引っ担いで走り出て行きます。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
其頃は交通が不便なので、魚屋いさばやに行くと大きな章魚がブラ下つて、蠅が飛び廻つてゐる鮭が置いてある位であつたことを私も覺えてゐる。京都の若狹鰈と鱧と言ふ所だ。
異国さかな雑談 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
すしつけてやがてにたる魚屋うおやかな
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
こいつが店へ這入はいってきたとき魚のにおいがしたから、按ずるに、このデックは四、五軒さきの魚屋フィシュ・バアの若い者であろう。と言っても、べつにいなせななりをしているわけではない。