“取圍(とりま)” の例文
新字:取囲
斯の板の間に續いて、細長い廂風(ひさしふう)の座敷がありまして、それで三間(みま)ばかりの廣い部屋をぐるりと取圍(とりま)くやうに出來て居りました。
此(この)大騷動(だいさうどう)の後(のち)は、猛獸(まうじう)も我等(われら)の手並(てなみ)を恐(おそ)れてか、容易(ようゐ)に近(ちか)づかない、それでも此處(こゝ)を立去(たちさ)るではなく、四五間(しごけん)を距(へだ)てゝ遠卷(とほまき)に鐵檻(てつおり)の車(くるま)を取圍(とりま)きつゝ、猛然(まうぜん)と吼(ほ)えて居(を)る。
多勢村のものが寄集まつて一人の眼隱した男を取圍(とりま)いて居る光景(ありさま)を一寸想像して見て下さい。激昂した衆人の祈祷の中で、その男の手にした幣帛(ぬさ)が次第に震へて來ることを想像して見て下さい。