“いにょう”の漢字の書き方と例文
語句割合
囲繞100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
還幸の鳳輦ほうれんをはなやかに百官の囲繞いにょうして行く光景が、物の響きに想像される時にも、太后は過去の御自身の態度の非を悔いておいでになった。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
無学な漁夫と税吏みつぎとり娼婦しょうふとに囲繞いにょうされた、人眼ひとめに遠いその三十三年の生涯にあって、彼は比類なく深く善い愛の所有者であり使役者であった。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
時雨堂の者は、ちょうど、台風の中心にあるようなもの、見えない魔のかげ、感じがたい運命の気流が、尺前しゃくぜんへ迫り、寸前に囲繞いにょうしつつあるのだ。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)