“めぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:メグ
語句割合
29.5%
21.4%
9.5%
8.2%
3.9%
3.6%
3.1%
3.0%
2.1%
1.6%
(他:129)14.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
結ひめぐらしたる生垣の穴より、入らんとすれば生憎あやにくに、枳殻からたちの針腹を指すを、かろうじてくぐりつ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
柿の木の下に四角な穴を掘り、近くの山林から盗伐して来た丸太を組み立てて、その周囲には厚い土塀をめぐらしたのであった。
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
それより紀伊海峽きいかいけうでゝ潮崎うしほざきめぐり、遠江灘とほとほみなだ駿河灣するがわん
大きな楼房にかいやがあって高いへいを四方にめぐらしていた。小婢はその前へ往ってちょっと足を止めて許宣の顔を見た。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「ではあろうが、乗る間際にも、充分に気をつけてくれ、なにせい連れが、お公卿くげにしては血のめぐりのよすぎるお人だ」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
部屋部屋を、順序正しく廻ってくれば、この一行は、まだもっと遅れ、二三十分も後になって、この部屋へめぐってくる筈だった。
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かくは断乎だんことして言放ち、大地をひしと打敲うちたたきつ、首を縮め、杖をつき、おもむろに歩をめぐらしける。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この人のうずかれて、坂の上まで押し上げられたら、くびすめぐらすうちにげてしまいそうである。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
赤とんぼの潮流が、青空を清々すがすがめぐってゆく。——犬千代は黙々と、ひとり駒を清洲の方へかえして行った。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち馬どもを使うて戦わしむるに、馬は久しく磨挽きばかりにれいたので、めぐり舞い行きあえて前進せず。
『説苑』七に楊朱ようしゅが梁王にまみえて、天下を治むる事これたなごころめぐらすごとくすべしという。
此方こっちが邪推をめぐらして用心する時は何でもなく、ポカンとして居る時は一番あやうい、実にこまったものです。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
我亦斯の如くになりき、かくなりて、かの岩の裂け登る者に路を與ふるところを極め、めぐりはじむる處にいたれり 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
只ウィリアムの見詰めたる盾の内輪が、例の如くめぐり出すと共に、昔しながらのかすかな声が彼の耳を襲うのみである。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そりや、ねえさんがかげまわつてめぐんでゐるにちがひない。ハヽヽヽ。にいさんも余っ程呑気だなあ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
家庭的にもめぐまれず、年老いてから放浪の旅に出なければならぬような不運が、どうしてこの人を待たねばならぬのか。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
塊まらぬうちに吹かるるときには三つの煙りが三つの輪をえがいて、黒塗に蒔絵まきえを散らした筒の周囲まわりめぐる。
一夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
水野越前は、お豊に太刀を持たせて、泉水をめぐり、築山を越え、屋敷から遠い、巨木の木立の中へ入って行きました。
礫心中 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
無理強ひの盃四つ五つ、それが全然すつかり体中にめぐつて了つて、聞苦しい土弁どべんの川狩の話も興を覚えぬ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
夕暮の濃いつめたい空気を透して、遠くから其姿を眺めると、とても暖かい血のめぐっている人間とは想えない。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
見よこれにいと近き輪を、しかして知るべし、その𢌞めぐることかく早きは、燃ゆる愛の刺戟を受くるによるなるを。 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
【はじめわが見し】天、二二・一二七以下。ダンテはかの時よりこの方東より西に九十度を𢌞めぐりゐたり(即ち六時間を經過して)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
最後の喇叭らつぱの響きとともに、すべてめぐまるゝ者、再び衣を着たる聲をもてアレルヤをうたひつゝその墓より起出づるごとく 一三—一五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
子供中間こどもなかま女王樣又によわうさまゝたとあるまじきめぐみは大人おとなよりもきがはやく、茶番ちやばんにしよう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
八丁ばかり行くと鞍部、右手には、残雪に近く石垣をめぐらせる屋根なしの廃屋、此処は、燃料に遠く風も強くて露営には適せぬ。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
『西遊記』一に、肥後五日町の古いえのき空洞ほらに、たけ三尺余めぐり二、三尺の白蛇住む。
生涯の出来事や光景が、稲妻のように一時に脳裏に閃いたと思うとそれは消えて、身をめぐる闇は深さも奥行も知れぬ。
枯菊の影 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
三方岡をめぐらし、厚硝子ガラスの大鏡をほうり出したような三角形の小湖水を中にして、寺あり学校あり、農家も多く旅舎やどやもある。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
下に動くときも上に揺り出す時も同じ様に清水しみずなめらかな石の間をめぐる時の様な音が出る。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
路はすべて杉の立樹の蔭につき、めぐめぐりて上りはすれど、下りということ更になし。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
湖をめぐって鬱蒼たる針葉樹の梢が無数のほこを建てつらねたように、水際からひら地へ、ひら地から山腹へ、すくすくと立ち並んでいる。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
それをめぐって山の裾らしい朧ろの線が、雪田の縁に固く凍み付いて、上の方は有耶無耶に化けている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
この珍貴うず感覚さとりを授け給う、限り知られぬめぐみに充ちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
この珍貴ウヅ感覚さとりを授け給ふ、限り知られぬめぐみに充ちたよき人が、此世界の外に居られたのである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
カタリ、と引くと、直ぐに囲いの庭で、敷松葉を払ったあとらしい、ふきの葉がめぐんだように、飛石が五六枚。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうだ、はっきり形になって現われないうちは、頭の中にめぐんできたことは余り人に云いたくないものだ。」
二つの途 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
一の小川の響きによりてしらる、この小川はめぐり流れて急ならず、その噛み穿てる岩の中虚うつろを傳はりてこゝにくだれり —一三二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
われはふとかうべめぐらしてあたりを見しに、我を距ること數歩の處に、故墳の址あり。
家をグルリと一とめぐり、田圃の中に建つてゐるので、隣との連絡もなく、何んの手掛りがあらうとも思はれません。
定吉の話で、東海坊の法力なるものの正體と、それをめぐる恩怨の渦が次第に判るやうな氣がします。
わづかでも循環めぐつてるものゝやうにきてえるのであるが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
猪口ちょくは巴と廻せ廻せ、お房外見みえをするな、春婆大人ぶるな、ええお蝶めそれでも血が循環めぐって居るのか頭上あたま鼬花火いたちはなび載せて火をつくるぞ、さあ歌え、じゃんじゃんとやれ、小兼め気持のいい声を出す、あぐり踊るか
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
先生深く惋惜えんせきし、厚く後事こうじめぐまれたりという。
そこで始めて皆が疑いだしたが、周は成の心の異っていたことを知っているので、人をやって成のいそうな寺や山をあまね物色ぶっしょくさすと共に、時どき金やきぬをその子にめぐんでやった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
『地上のもの、宇宙のもの、すべてはめぐめぐっている。た身が、今は、される身となったか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
舷燈の光す口をかなたこなたとめぐらすごとに、薄く積みし雪の上を末広がりし火影走りて雪は美しくきらめき、辻を囲める家々の暗き軒下を丸き火影ほかげ飛びぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「俺の脈は六十二だ、——お前といふ人間は、矢つ張り血のめぐりまで遲いんだな」
そこで忙しさうに働いて居るのは、下女のお角がたつた一人。血のめぐりはあまり良くないにしても、こんなのは掛引がなくて、平次に取つて飛んだ役に立つのかも知れません。
しかしまた吶喊とめた上は、大将の命令を聴くのが当然だから、わたしは往々曲筆をめぐんでやらぬことがある。
「吶喊」原序 (新字新仮名) / 魯迅(著)
然して後に天皇のたまはく、朕がこども各異腹にして生る。然れども今ひとつ母同産おもはらからの如くてめぐましむ。則ちみそのひもひらきて、その六皇子を抱きたまふ。よりて以て盟ひてのたまはく、若しちかひたがはば、たちまちに朕が身をうしなはむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
『博物類纂』十に、悪犬に遇わば左手を以てとらより起し、一口気を吹きめぐっていぬに至ってこれをつかめば犬すなわち退き伏すと。
久因きういんかさねてめぐくだるは、——輪を重ぬるの下と讀むのだ、それ」
そこよりイウバのもとひらめき下り、後、汝等の西にめぐりてかしこにポムペオのらつぱを聞けり 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されど我等主題を遠く離れたれば、今目をめぐらして正路を見るべし、さらば時とともにみちを短うするをえむ 一二七—一二九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
小田島は腹立たしくなった。この女は、まるで誰かに頼まれでも仕た様に、この土地へ来てから自分の行く先々に付いて廻る。実に面白くも無いめぐあわせだ。
ドーヴィル物語 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
同じ女を愛し、そして、その女から飛去られた二人が、偶然にめぐり合うとは……
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
かたちえねど三尖衝角さんせんしやうかく回旋めぐところ敵船てきせん微塵みじんくだ
流れには紅黄こうこう大小かずかずの木の葉、たちまち来たりたちまち去り、ゆるやかに回転めぐりて急に沈むあり、舟のごとく浮かびて静かに流るるあり。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
たちまち浮かびたちまち沈み、回転めぐりつ、ためらいつす。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)