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囲
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めぐ
ふりがな文庫
“
囲
(
めぐ
)” の例文
旧字:
圍
三方岡を
囲
(
めぐ
)
らし、厚
硝子
(
ガラス
)
の大鏡をほうり出したような三角形の小湖水を中にして、寺あり学校あり、農家も多く
旅舎
(
やどや
)
もある。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
或人は天童が法然を
囲
(
めぐ
)
って管絃
遊戯
(
ゆうげ
)
していると見た。或者は又洛中はみんな戦争の
巷
(
ちまた
)
であるのに法然の住所だけがひとり無為安全であるのを見た。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
家をグルリと一と
囲
(
めぐ
)
り、
田圃
(
たんぼ
)
の中に建っているので、隣との連絡もなく、何の手掛りがあろうとも思われません。
銭形平次捕物控:072 買った遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも垣を
囲
(
めぐ
)
らして四方から切り離した独立の一軒家です。窮屈ではあるが
間数
(
まかず
)
は五つほどあります。兄さんと私は一つ座敷に
吊
(
つ
)
った一つ
蚊帳
(
かや
)
の中に寝ます。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
前夜はこのまゝで関はぬと決心したのだつたが、今その前を通過して見ると、館は真新しい舟板の塀を
囲
(
めぐ
)
らせて、しやれた灯籠や庭木のあんばいが眼になどついた。
水車小屋の日誌
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
一際広い真白な
石甃
(
いしだたみ
)
を
囲
(
めぐ
)
らした立派な墓所の中央に立っている巨大な石塔の前まで来ると、ソオ——ッと
頸
(
くび
)
を伸ばしているうちに和尚は年甲斐もなく腰を脱かした。
狂歌師赤猪口兵衛:博多名物非人探偵
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
雪を
囲
(
めぐ
)
らした山国は、テレースに花の香をつたえて、微風はいつも気もちよく眠りをさそってくれる、覚めると、日は左の窓に藤の葉影をうつして、やがて御茶の時刻になる
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
博士邸を
囲
(
めぐ
)
る塀が城塞のように高いのも無理がない次第で、塀を高くして置かなければ、この異様な邸内の模様は容易に村人の眼に停り、物議の
的
(
まと
)
にならない筈はなかったから。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
家持は、門と門との間に、細かい
柵
(
さく
)
をし
囲
(
めぐ
)
らし、目隠しに
枳殻
(
からたちばな
)
の
叢生
(
やぶ
)
を作った家の外構えの一個処に、まだ
石城
(
しき
)
が可なり広く、人丈にあまる程に築いてあるそばに、近寄って行った。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
生涯の出来事や光景が、稲妻のように一時に脳裏に閃いたと思うとそれは消えて、身を
囲
(
めぐ
)
る闇は深さも奥行も知れぬ。どうかして
此処
(
ここ
)
を逃れ出たい。今一度小春の日光を見ればそれでよい。
枯菊の影
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
前に「先生を
囲
(
めぐ
)
る話」を書いた時、その中に所々御弟子達の言動を点景人物の意味で入れておいた。ところがあの話は実は先生のいわれた言葉が重大なので、それは一段下げて書いておいた。
「先生を囲る話」について
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
家の裏手には木柵が
囲
(
めぐ
)
らしてあって、台所口の前にあたる所に格子戸がとりつけてあった。格子戸には
鈴
(
りん
)
がついていて、開閉するたびに音を立てた。格子戸の際に、洗濯する場所が設けてあった。
生い立ちの記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
また一座の
中
(
うち
)
に、下宿の二階に住んで六畳の半ばを
蔽
(
おお
)
う白熊の毛皮を敷いて、ぞろりと着流して坐りながら、下谷の地を操縦する、神機軍師
朱武
(
しゅぶ
)
あって、
疾
(
とく
)
より秘計を
囲
(
めぐ
)
らし、兵を伏せて置いたれば
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
細川
越中守
(
えっちゅうのかみ
)
屋敷の少し先、雑司ヶ谷鬼子母神にいたる
一廓
(
いっかく
)
に百姓風ながら高々と生垣を
囲
(
めぐ
)
らし、
藁屋根
(
わらやね
)
の
庇
(
ひさし
)
を
反
(
そ
)
らした構え、これに玄関を取付け、
長押
(
なげし
)
を打ったら
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三人は罪のない話をしながらいつか
蛇王権現
(
だおうごんげん
)
の前へくる。それでも三人はすこぶる
真面目
(
まじめ
)
に祈願をこめて再び池の
囲
(
めぐ
)
りを駆け廻りつつ愉快に愉快にとうとう日も
横日
(
よこび
)
になった。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この
茫々
(
ぼうぼう
)
たる大地を、
小賢
(
こざか
)
しくも垣を
囲
(
めぐ
)
らし
棒杭
(
ぼうぐい
)
を立てて某々所有地などと
劃
(
かく
)
し限るのはあたかもかの
蒼天
(
そうてん
)
に
縄張
(
なわばり
)
して、この部分は
我
(
われ
)
の天、あの部分は
彼
(
かれ
)
の天と届け出るような者だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
定吉の話で、東海坊の法力なるものの正体と、それを
囲
(
めぐ
)
る
恩怨
(
おんえん
)
の渦が次第に判るような気がします。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
囲
常用漢字
小5
部首:⼞
7画
“囲”を含む語句
周囲
囲繞
外囲
雰囲気
四囲
板囲
取囲
三囲
範囲
囲炉裏
囲炉裡
包囲
囲碁
重囲
囲者
囲内
雪囲
氛囲気
囲爐裡
幕囲
...