“四囲”のいろいろな読み方と例文
旧字:四圍
読み方割合
あたり79.5%
しい6.8%
まわり4.5%
よかかえ4.5%
あた2.3%
ぐるり2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
博士の服装に比べて、廊下は清潔に掃き清められ、各室の扉に塗ってあるペンキの色も、四囲あたりの壁の色も、たいへんに落つきがある。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
再興の望みが絶対になかったように思うのは、事後においてそれを見るからで、当時にあっては、四囲しいの情勢から見て、かならずしもその望みがなかったとは言われない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
電車路の雑沓ざっとうに出てから、私は須山に追いついた。彼は鼻をこすりながら、何気ない風に四囲まわりを見廻わし、それから
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
午後は親子三人、此度は街道を西南に坂を半上って、牧場の埒内らちないに入る。東向きの山腹、三囲みかかえ四囲よかかえもあるならの大木が、幾株も黄葉の枝を張って、其根もとに清水がいたりして居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
葉子は、ふと気がついたように、四囲あたりを見廻してみると鼻血を出した為か、もう黒吉の姿はなく、他の少年座員達が何か密々ひそひそと囁き合いながら、銘々に稽古を始めるところだった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
そこに大きなかなえがあって、高さが七尺ばかり、四囲ぐるりに炭火を燃やして、その足を真紅に焼いてあった。曾はおそろしくて哀れみを乞うて泣いた。逃げようとしても逃げることはできなかった。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)