四囲まわり)” の例文
旧字:四圍
電車路の雑沓ざっとうに出てから、私は須山に追いついた。彼は鼻をこすりながら、何気ない風に四囲まわりを見廻わし、それから
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
移ってきたM町の家は町はずれにあって、四囲まわりは木立も多く閑散としていた。家は物置小屋を改造したような小屋で、四畳半の部屋と土間があるだけであったが、それでも一戸建には違いなかった。
日日の麺麭 (新字新仮名) / 小山清(著)
何時いつもなら、私は外へ一歩出たら、元とはちがって、一切の空想ごとや考えごとをやめて、四囲まわりに注意して歩くことにしていたが(そしてそれは可なり慣れていたが)、その日は
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)