“まわり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マワリ
語句割合
周囲78.6%
巡査4.1%
四周3.5%
1.9%
附近1.6%
1.4%
0.8%
周辺0.8%
周圍0.5%
四囲0.5%
周匝0.5%
四辺0.5%
0.5%
0.5%
身辺0.5%
円周0.3%
周廻0.3%
四方0.3%
四面0.3%
0.3%
外囲0.3%
0.3%
欄干0.3%
環境0.3%
迂回0.3%
雰囲気0.3%
鬢髱0.3%
𢌞0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屋敷やしき周囲まわりには広々ひろびろとしたはたけがありました。そして、そこにはばらのはなや、けしのはなが、いまをさかりにみだれているのであります。
けしの圃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「黙っといで。黙っといで」と泉太は父の言葉をさえぎるようにした。「節ちゃん、好いことがある。お巡査まわりさんと兵隊さんと何方どっちが強い?」
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
秋もすでにおそく、国をめぐる四周まわりの山々は雪をかぶっています。風物と人の身の上を考えると兵馬にも多少の感慨があります。
しかし文字通り易の釈義を申上げてもまわり遠くて要領を得ない事になりましょうから、わたくしの思いついた事だけを手短てみじかに申上げて見ましょう。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこには店頭みせさき底曳網そこびきあみ雑魚ざこを並べたり、あさりやはまぐり剥身むきみを並べている処があって、その附近まわりのおかみさんが、番傘などをさしてちらほらしていた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
尤もお弟子さんの手前、このお子さん達が身のまわりの世話をしてくれるので、漸くこゝまで出て来ましたとは告白しかねたろう。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
壁の一点を中心にしてそのまわりへ尺平方ほどの円を描きながら、彼女はいっそう明晰めいせきな口調で妙な繰り言をくどくどと並べ出した。聞いて行くうちに伝二郎は二度びっくりした。
勿論もちろん製造の本人如何どうでもうでもして磠砂どうしゃと云う物をこしらえて見ましょうと云う熱心があるから、臭いのも何も構わぬ、しきりに試みて居るけれども、何分なにぶん周辺まわりの者がやかましい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
夏の夜とは全くちがつた官覺のしめやかさに驚かされ、何といふわけもなく火影とその周圍まわりの物の影とが見詰められる。
虫の声 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
移ってきたM町の家は町はずれにあって、四囲まわりは木立も多く閑散としていた。家は物置小屋を改造したような小屋で、四畳半の部屋と土間があるだけであったが、それでも一戸建には違いなかった。
日日の麺麭 (新字新仮名) / 小山清(著)
しずかに身を起す。)譬えば下手な俳優があるきっかけで舞台に出て受持うけもちだけのせりふ饒舌しゃべり、周匝まわりの役者に構わずにうぬが声をうぬが聞いて何にも胸に感ぜずに楽屋に帰ってしまうように
祖母は気の毒なほどいやな顔をして炉の四辺まわりつやぶきんをゆるゆるとかけたり、あっちこっちから来た封筒を二つに割って手拭反古を作ったりして菊太の帰って呉れるのを待って居る。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
はじめ彼を診察した博士は彼の膝蓋骨を叩き、彼の脚が急にひどい運動をするのをまわりにゐた医学生達に示して神経衰弱もあると診断した。
酒は二まわり三巡した。許宣はそこで李幕事の顔を見た。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いつか大師だいし一同みんなが行く時も、まあ親方の身辺まわりについて居るものを一人ばかり仲間はずれにするでもないと私が親切に誘ってやったに、我は貧乏で行かれないと云ったきりの挨拶あいさつ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
じよらうぐもはそれに従つて、中央に糸を膠付にかわづけにする。そして、既に張つた横糸によつて昇つて行つて、その糸の端を円周まわりにくつつける。
周廻まわり三里五町というのがその全体の容積である。もっともこれは明治大正現代における大きさで、戦国時代には本栖湖はもっともっと大きかった。周廻六里はあった筈である。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
また、ひとしきり奇怪な読経が湧き起って、魔像とお静の四方まわりを、黒装束の人間の輪が、クルクルと廻り始めました。
もうもうと四面まわりの壁のにおいを吸って昇るのが草いきれに包まれながら、性の知れない、魔ものの胴中どうなかを、くり抜きに、うろついている心地がするので、たださえ心臓の苦しいのが
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが此のまわりのファイナルで、又々清三を極度に不快ならしめることがもち上った。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
しかし、外囲まわり器物うつわものはそのように人間どおりでありますが、中身は宇宙生命の真理を湛えられ、永劫不滅の体験に立たれていました。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
何者ならんと打見やれば、こはそも怎麼いかにわれよりは、二まわりおおいなる虎の、まなこを怒らしきばをならし、つめらしたるその状態ありさま、恐しなんどいはんかたなし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
……よく、言う事で——佐渡ヶ島には、ぐるりと周囲に欄干まわりがあるか、と聞いて、……その島人に叱られた話がある。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
環境まわりの風俗にカブレて町家の娘らしく振舞っていたで御座いましょうが、一旦、精神に異状を呈してしまいますと、最近、一二代の間に出来た町家風まちやふうの習性をケロリと忘れて
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すこし迂回まわりにはなるが、田中の里から曲って高野川に沿い、大宮大原道をすすみ、修学院のほうへ出て下り松に至る——という道取りがその第二。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうでもないが、姉貴はじめ、家の雰囲気まわりいやなんだ」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
お麻さんがその妾宅で、鬢髱まわりをひっつめた山の手風の大丸髷まるまげにいって、短かく着物をきていたのもしばらくで、また柳橋へかえった。
怖ろしい峠を越し、此の沼田という所へまいり、宿を取って捜して見たが知れませんで居たが、今日不図御城下𢌞まわりで見掛ける女は娘にているから、跡を附けて来て見ると、此方こちらうちへ這入ったから
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)