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四周
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まわり
ふりがな文庫
“
四周
(
まわり
)” の例文
そして、本館は
水松
(
いちい
)
の刈込垣で
繞
(
めぐ
)
らされ、壁廓の
四周
(
まわり
)
には、様々の動物の形や頭文字を
籬状
(
まがきがた
)
に刈り込んだ、
樿
(
つげ
)
や糸杉の
象徴
(
トピアリー
)
樹が並んでいた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
秋もすでに
晩
(
おそ
)
く、国をめぐる
四周
(
まわり
)
の山々は雪を
被
(
かぶ
)
っています。風物と人の身の上を考えると兵馬にも多少の感慨があります。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
案
(
あん
)
の
定
(
じょう
)
、テントの
裾
(
すそ
)
を、赤黒い火焔が、メラメラと
嘗
(
な
)
めていた。火は已にテントの
四周
(
まわり
)
を取りまいている様子だった。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
四周
(
まわり
)
の一方は、他の三方よりもはるかに高くなって、上座という感じがした。そしてこの一列の建物は、ロンドンの讃嘆すべき出来事のために破られていた。
青玉の十字架
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
うなずきながら、私は見張台に立ち、
四周
(
まわり
)
を見渡した。心の底まで明るくなるような、炎天の風景であった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
しかし、あれだけ調べておいたにもかかわらず、誰か覗いてはおらぬかと、私は板
掩
(
おお
)
いをかけた窓、
四周
(
まわり
)
の壁が気になるだけで、マフチャズの表情なぞは少しも眼に留まらなかった。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
一家族の力などが、全社会に及ぼし得る力量をちゃんと知り、結局効果のない努力で一生を無にするよりは、学問なら学問の研究で、
自
(
おのずか
)
ら、
四周
(
まわり
)
の改善の来る時を待とうと云う意識がある。
日記:09 一九二三年(大正十二年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
沈むにつれて
四周
(
まわり
)
が次第に暗くなって、今まで泳いでいた
魚
(
うお
)
は一匹も見えず、その代り今まで見た事もない、
身体
(
からだ
)
中口ばかりの
魚
(
うお
)
だの、眼玉に
尻尾
(
しっぽ
)
を生やしたような
魚
(
うお
)
だのが泳いでいます。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
今は路傍に美しい高山植物のたぐいこそ咲いてはいないが、山林、
谿流
(
けいりゅう
)
、すべてが清麗で、顧みれば、
四周
(
まわり
)
の深山の中には、焼岳の噴煙がおどろ髪のように立ちのぼる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ウェンデルは元気づいてディスクのトービス機を引っぱり出して来た。そして
振動板
(
ダイヤフラム
)
の音域を二千サイクルにまで引き延ばすべくせっせと鼻唄交じりで録音室の
四周
(
まわり
)
にモンク皮を吊り下げている。
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
低く高く遠近の山を見晴らし、すがすがしい松林を眺め、
四周
(
まわり
)
は温和な海近い山あいの自然だから、その真中に暴力的に出現している高い新道は、いかにも一路がむしゃらというこころもちを与えた。
播州平野
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
百里を流るる信濃川の
上
(
かみ
)
。歩み歩むといえども、歩み尽すということはありません。いわんや、立ち止まって月を見ると、
四周
(
まわり
)
の山が月光に晴れて、墨の如く眼界に落ち
来
(
きた
)
る。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
どこの村から、どう起ったかということは今わからないけれども、近江の
四周
(
まわり
)
の山水が湖水へ向って集まるように、湖岸一帯の人民の不平が、ある地点へ向って流れ落ちて
溢
(
あふ
)
れて来る。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
雪が今日はめざましいほど降り積って、
四周
(
まわり
)
の山を覆うているのを見ました。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“四周”の意味
《名詞》
四 周(ししゅう)
周り。周囲。
(「よんしゅう」とも)一周の四倍。角度の千四百四十度。
(出典:Wiktionary)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
“四”で始まる語句
四辺
四方
四
四邊
四方山
四肢
四阿
四谷
四人
四囲