四辺まわり)” の例文
旧字:四邊
滑稽なことには、系図屋の身体の四辺まわりに、先刻さっきは無かつた暗い隙間がふんだんに散らかつてゐた。そして、肥つた女が振向きもせず物臭さうに薄暗い奥へ歩いて行く姿が見えた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
祖母は気の毒なほどいやな顔をして炉の四辺まわりつやぶきんをゆるゆるとかけたり、あっちこっちから来た封筒を二つに割って手拭反古を作ったりして菊太の帰って呉れるのを待って居る。
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)