“枳殻”のいろいろな読み方と例文
旧字:枳殼
読み方割合
からたち71.9%
きこく15.6%
からたちばな6.3%
たちから3.1%
カラタチバナ3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここから運河が山に入るまでの両側は、枳殻からたちが連つてゐるので、秋になると、黄色な実が匂を強く放つて私たちを喜ばせた。
琵琶湖 (新字旧仮名) / 横光利一(著)
と小兼はお蘭を連れてみちを聞き/\竹ヶ崎の山へ来て見ると、芝を積んで枳殻きこくを植え、大きな丸太を二本立て、表門があり、梅林うめばやしが有りまして
家持は、門と門との間に、細かい柵をし囲らし、目隠しに枳殻からたちばなの藪を作つた家の外構への一個処に、まだ石城しきが可なり広く、人丈にあまる程に築いてあるそばに、近寄つて行つた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
毛虫芋虫は嫩葉どんようを食むのみに非ず秋風を待って再び繁殖しいよいよ肥大となる。梔子くちなし木犀もくせい枳殻たちからの葉を食うものは毛なくして角あり。その状悪鬼の金甲を戴けるが如し。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
家持は、門と門との間に、細かい柵をし囲らし、目隠しに枳殻カラタチバナ叢生ヤフを作つた家の外構への一個処に、まだ石城シキが可なり広く、人丈ヒトタケにあまる程に築いてあるそばに、近寄つて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)