“愛(めぐ)” の例文
容止(みかほ)墻(たかく)岸(さかしくて)、音辞(みことば)俊(すぐ)れ朗(あきら)かなり。天命開別(あめみことひらかすわけの)天皇(天智天皇)の為に愛(めぐ)まれたまふ。長(ひと)となるに及びて弁(わいわい)しくて才学(かど)有り、尤(もっと)も文筆(ふみつくること)を愛(この)む。詩賦(しふ)の興(おこり)、大津より始まれり……。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
この珍貴(うず)の感覚(さとり)を授け給う、限り知られぬ愛(めぐ)みに充ちたよき人が、此世界の外に、居られたのである。郎女(いらつめ)は、塗香(ずこう)をとり寄せて、まず髪に塗り、手に塗り、衣を薫(かお)るばかりに匂わした。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
犬烏聚(あつま)り噉(は)む。天皇此の泣(いざ)ち吟(によ)ぶ声を聞きて、心に悲傷(いたみ)有(ま)す。群卿に詔(みことのり)して曰く、それ生くるときに愛(めぐ)みし所を以て亡者(なきひと)に殉(したが)はしむ。これ甚だ傷(いたきわざ)なり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
足撫槌(あしなづち)手撫槌(てなづち)神も名にし負へば子は古(いにしへ)も愛(めぐ)くやありけん
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
声たてて小さく愛(めぐ)しき生(うまれ)の臍(ほぞ)をまさぐりぬ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夫(せ)の君のため、母を呼ぶ愛(めぐ)し兒(ご)のため
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
この珍貴(ウヅ)の感覚(さとり)を授け給ふ、限り知られぬ愛(めぐ)みに充ちたよき人が、此世界の外に居られたのである。郎女は、塗香(づこう)をとり寄せて、まづ髪にふり灌ぎ、手に塗り、衣を薫るばかりに浄めた。(つゞく)
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
愛(めぐ)し児(ご)の上(うへ)かかる愛。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)