“鍾愛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうあい82.5%
しようあい12.5%
いつく2.5%
きにいり2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところが、その後、同じお腹に生れた第二の皇子を鍾愛しょうあいのあまり、いわれもなく、後深草を十七歳で退位させ、第二皇子十一歳を立てて
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄蜀葵とろろあふひ土耳古皇帝とるこくわうてい鍾愛しようあいの花、麻色あさいろに曇つた眼、肌理きめこまかな婀娜あだもの——おまへの胸から好いにほひがする、潔白の氣は露ほどもないにほひがする。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
昔気質むかしかたぎの人で、世の中からは忘れられてしまったように、親譲りの、松の木のおおい、大きな屋形の、住み古した西にしたいに、老妻と一しょに、一人の娘を鍾愛いつくしみながら
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
この室の戸をたゝくものが有る。其音で、直に校長は勝野文平といふことを知つた。いつも斯ういふ風にして、校長は鍾愛きにいりの教員から、さま/″\の秘密な報告を聞くのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)