めぐ)” の例文
新字:
家をグルリと一とめぐり、田圃の中に建つてゐるので、隣との連絡もなく、何んの手掛りがあらうとも思はれません。
遙かに下の方の山々の腰をめぐつて白い雲が湧上つて來た。急傾斜で息切がするが、友達の足は早い。彼は八度目の登山だつた。私は負けない氣を出して踏張ふんばつた。風は益々烈しく、山鳴が聞えて來た。
山を想ふ (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
定吉の話で、東海坊の法力なるものの正體と、それをめぐる恩怨の渦が次第に判るやうな氣がします。
雜司ヶ谷鬼子母神に至る一くわくに百姓風乍ら高々と生垣をめぐらし、藁屋根わらやねひさしを反らした構へ、これに玄關を取付け、長押なげしを打つたら、そのまゝ大名のお下屋敷と言つても恥しくないでせう。