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經歴
雜談の間に周三は、何かひツかゝりを作へては、お房の
素性と
經歴とを探つた。そして
約想像して見ることが出來るまでに
手ぐり出した。
『
實に、
君の
經歴は
小説のやうです。』と
言つた
儘、
暫時私の
顏を
瞻めて
居つたが、
物語の
中でも、
春枝夫人の
殊勝なる
振舞には、
少なからず
心を
動かした
樣子。
かれ建内の宿禰の命、その
太子を
率まつりて、
御禊一せむとして、淡海また若狹の國を
經歴りたまふ時に、
高志の
前の
角鹿二に、假宮を造りてませまつりき。