“恤(めぐ)” の例文
そこで始めて皆が疑いだしたが、周は成の心の異っていたことを知っているので、人をやって成のいそうな寺や山を偏(あまね)く物色(ぶっしょく)さすと共に、時どき金や帛(きぬ)をその子に恤(めぐ)んでやった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
優しく人を恤(めぐ)みがほなる天使、再會して相悦べる靈ども、金笛(きんてき)の響に母の懷に俯したる穉子(をさなご)など、いづれ自然ならざるなく、看るものは覺えず身を圖中に寘(お)きて、審判のことばに耳を傾く。
高橋その馳走(ちそう)をうけ、これにて少し腹(はら)が癒(い)えたとて去りたりと。この高橋は洋学(ようがく)にも精通(せいつう)し、後来(こうらい)有望(ゆうぼう)の人なりけるに、不幸(ふこう)にして世を早(はや)うせり。先生深く惋惜(えんせき)し、厚く後事(こうじ)を恤(めぐ)まれたりという。
後(のち)、太子高熾(こうし)の羣小(ぐんしょう)の為(ため)に苦(くるし)めらるるや、告げて曰く、殿下は但(ただ)当(まさ)に誠を竭(つく)して孝敬(こうけい)に、孳々(しし)として民を恤(めぐ)みたもうべきのみ、万事は天に在り、小人は意を措(お)くに足らずと。識見亦高しというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)