“廊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ろう38.9%
らう22.2%
わたどの16.7%
ほそどの5.6%
くるわ5.6%
かく2.8%
ひら2.8%
ろうか2.8%
わたり2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
男は夢中のようで、のぼせ上がったふうで、門から近いろうの室の縁側に腰を掛けて、気どったふうに月を見上げているんですね。
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
をぎ一四六尾花のたけ人よりもたかく生茂おひしげり、露は時雨めきて降りこぼれたるに、一四七三つのみちさへわからざる中に、堂閣の戸右左みぎひだりたふれ、方丈はうぢやう一四八庫裏くりめぐりたるらう
わたどのの戸のあいた所が目について、静かにそこへ寄って行って、のぞいて見ると、向こうの座敷では姫君たちが碁の勝負をしていた。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
其処は住居と云ふものの、手狭でもあれば住み荒してもあり、僅に雨露あめつゆしのげるだけだつた。乳母はこのほそどのへ移つた当座、いたはしい姫君の姿を見ると、涙を落さずにはゐられなかつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
台傘の朱は、総二階一面軒ごとの毛氈もうせんに、色映交さしかわして、千本ちもと植えたる桜のこずえくるわの空に咲かかる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこだけの一かくを取りあえず伐木して、下草をぎ払った。それが主君邦夷の来着を待つ用意であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
土をひらさかひとほくす云々。
ひろげて二面の電報欄を指した。見ると或地方で小学校新築落成式を挙げし当日、ろうかてすりが倒れて四五十人の児童庭に顛落てんらくし重傷者二名、軽傷者三十名との珍事の報道である。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「はいっ」高松衛門えもんは、わたりを、つつつと小走りに退がった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)